日野「高幡不動尊金剛寺」室町時代の建築をはじめとする寺院建築群をレポート

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今回は日野市に建つ高幡不動尊金剛寺を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・高幡不動尊金剛寺を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・高幡不動尊金剛寺の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント

1.関東三大不動尊の一つでもある歴史ある寺院で建築巡り

今日訪れたのは高幡不動尊の名でも知られ、関東三大不動尊にも数えられる金剛寺です。
京王線・多摩都市モノレール高幡不動駅を程なく歩くと高幡不動尊金剛寺の入口となる仁王門が見えてきます。

高幡不動尊金剛寺_仁王門

高幡不動尊金剛寺の起こりは古文書などによって諸説ありますが、寺伝によれば平安時代の初期に円仁が清和天皇の勅願により高幡山の山上に開いたのが始まりとされています。
山中のお堂は、1335年に起こった大風によって倒壊していまい、1342年に麓に移して建てられたのが現在の不動堂と仁王門となります。

都内には多くの寺院建築がありますが、室町時代初頭に建てられた不動堂と仁王門は、その中でもかなりの古さを誇り、共に国の重要文化財に指定されています。

高幡不動尊金剛寺_仁王門

仁王門は寺伝によると当初楼門として計画されていたそうですが、途中で計画が変更されて最近まで単層の門となっていました。1959年に解体・復原した際に当初計画されていた楼門として復原されて現在の形となっています。

高幡不動尊金剛寺_不動堂

仁王門のすぐ先に見える不動堂は、室町時代前期の1342年に建てられたもので、こちらも重要文化財となっています。
大きく反り返った屋根が、後ろに広がる山やその上の空に続くような優雅な姿で広がっています。

高幡不動尊金剛寺_不動堂
高幡不動尊金剛寺_不動堂

不動堂の奥に聳えたつ五重塔は、塔高約40mほ平安時代初期の様式を模した塔となっています。

高幡不動尊金剛寺_五重塔

建物の設計は、早稲田大学で教鞭をとっていた建築史家の渡辺保忠教授が手掛けているのも注目ポイントです。

境内のどこからでも見える巨大な塔は、高幡不動尊の象徴でありながら、後ろに広がる大自然と不思議と調和してみえるのが面白いところ。

高幡不動尊金剛寺_五重塔

この五重塔は1980年に建てられたものですが、五重塔の整備を皮切りに1987年の大日堂、1993年の宝輪閣、1998年の奥殿、そして2010年の大師堂・聖天堂と境内の建物が少しづつ整備され、現在の高幡不動尊が形つくられていきます。

2.見どころ満載の境内を巡りながら、様々な寺院建築を堪能

また高幡不動尊は新選組の副長であった土方歳三の菩提寺としても知られていて、土方歳三の銅像や近藤勇、土方歳三両雄の碑などもみることができます。
土方歳三の銅像の前では写真を撮る人も多く、歴史や新選組ファンにも注目のスポットとなっているようでした。

高幡不動尊金剛寺

土方歳三象を見た後は境内の他の建築を巡ります。

不動堂の後ろに建つ奥殿は、高幡不動尊に伝わる様々な文化財を収蔵、展示する建物です。

高幡不動尊金剛寺_奥殿

1階が展示室、2階が収蔵庫になっていて、重さ約1tを超える丈六不動三尊像をはじめとする貴重な文化財が納められています。

高幡不動尊金剛寺_奥殿
高幡不動尊金剛寺_山門

奥殿からさらに進み、山門をくぐった先にある大日堂は高幡山の総本堂です。

高幡不動尊金剛寺_大日堂

総本堂は江戸時代に大火で焼失した後、長らく仮本堂のままでしたが、1987年に再建が行われました。

こちらも五重塔と同じく、渡辺保忠教授が設計を手掛けていて、鎌倉時代の様式を用いた荘厳なつくりとなっています。

高幡不動尊金剛寺_大日堂

竣工から30数年と建築年代としては比較的新しいですが、幽玄な雰囲気を感じる建物でした。
内部は鳴り龍天井が有名ですが、その他にも見応えのある彫刻群などを拝見できます。

大日堂と五重塔の間に建つ大師堂聖天堂は、1779年の大火で焼失して以来、230年ぶりに再建されたお堂です。

高幡不動尊金剛寺_大師堂
高幡不動尊金剛寺_聖天堂

2010年に建てられた新しい建物ですが、これまでみてきたとおり境内には1980年代、90年代に建てられた建物が点在しているので、それらの建築群と比較してみると数十年の時の移ろいが感じられます。

高幡不動尊金剛寺_宝輪閣

再び仁王門や不動堂まで戻って最後に見学したのが1993年築の宝輪閣(札場)です。

重要文化財である仁王門と不動堂の間に建つ建物は鮮やかな朱色の建物となっていて、2つの古建築のもつ風合いをより際立たせていました。

高幡不動尊金剛寺_宝輪閣

最後に訪れた弁天堂は、弁天池の島に建つ朱塗りの小堂です。
小さなお堂ですが、細かい装飾も素敵で、何よりお寺で橋を渡るのはワクワクしました。

この他にも、高幡不動尊は約7500株の様々な紫陽花が咲くお寺としても知られていますので、今度は紫陽花の季節にも訪れたいと思います。

素敵な建築群をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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高幡不動尊金剛寺
設計:渡辺保忠(五重塔、大日堂)、文化財工学研究所(宝輪閣、奥殿、大師堂・聖天堂)
所在地:東京都日野市高幡733
アクセス:高幡不動駅より徒歩約5分
竣工:室町時代(不動堂、仁王門)、1980年(五重塔)、1987年(大日堂)、1993年(宝輪閣)、1998年(奥殿)、2010年(大師堂・聖天堂)
備考:重要文化財(不動堂、仁王門)


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