今日は東京の中野駅周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築について紹介したいと思います。
都心と郊外の両方の性格を併せ持つ中野は、大規模な再開発からひっそりと建つ近代建築、ディベロッパーの挑戦的な建築から著名建築家の作品まで幅広い建築が見られる建築パワースポットでもあります。
いったいどんな建築があるのか、早速紹介していきたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・中野エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・中野エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
1.中野サンプラザ

まず初めに訪れた中野サンプラザは、中野駅の北口に建つホール、ホテル、事務所、商業施設などの複合建築。
低層部の三角形のアトリウムをはじめ、建物全体が上部に向かって競り上がりながら巨大な三角形をつくり出していて、まさに中野のランドマークというにふさわしい建物です。
当時これだけの規模の複合建築はほとんど例がない中で、ホールを中心として様々な諸機能を1つの象徴的な形にまとめ上げ、その後の街の発展に大きく貢献した記念碑的な建築でもあります。

設計:林昌二/日建設計
所在地:東京都中野区中野4-1-1
アクセス:中野駅より徒歩約2分
竣工:1973年
公式HP:https://www.sunplaza.jp/
2.中野セントラルパーク

中野セントラルパークは、中野駅北口に広がる警察学校跡地の再開発プロジェクトです。
敷地の約半分を占める中野四季の森公園を中心とし、広大なオープンスペースを取り囲むようにオフィス、大学、行政、商業が一体に整備されていて、平日・休日を問わずに賑わいを見せています。
広大な床面積を明快に整理して配置しつつも、低層部では公園をキーにして「ひだ」のように公園と交わる商業スペースを設けたり、ボリュームを分節化して吹抜けから公園の緑を取り込んだりといった工夫が満載。
中野という都心とも郊外ともいえる独特の土地に合わせた豊かで余裕のある空間づくりは一見の価値ありです。

設計:東京建物+鹿島建設(サウス棟)+戸田建設(イースト棟)
所在地:東京都中野区中野4-10-1・2
アクセス:中野駅より徒歩約5分
竣工:2012年
備考:2014年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.nakano-centralpark.jp/
3.中野区庁舎

中野区庁舎は、中野駅の北口に2024年に建てられた地上11 階地下2階建ての中野区の新庁舎です。
シンプルな直方体の建物は、斜めに交差する構造フレームに菱形の小さなパネルが散りばめられたデザインで覆われているのが特徴です。
ガラスの大開口の低層部から、徐々に樹木を抽象化したような外装に変化して、建物内外のバッファゾーンをつくりだしつつボリュームを分節しているのも注目ポイント。
広場に面した1階ホールやレストランなど、近隣の人々が気軽に立ち寄れるような区庁舎となっているのも魅力的でした。


設計:日本設計(基本設計)+竹中・協永・明成・武蔵野・INA特定JV(実施設計)
所在地:東京都中野区中野4-11-19
アクセス:中野駅より徒歩約6分
竣工:2024年
4.シティハウス中野レジデンス

シティハウス中野レジデンスは、早稲田通り沿いに建つ地上10階総戸数122戸の賃貸マンションです。
一見するとありがちなデザイナーズマンションにも見えますが、よく見ると細かく分節化されたボリュームや、3方を道路に囲われた各面によってデザインに変化をもたらすなど、工夫が溢れた住宅となっているのが大きな特徴。
単に効率化・単純化したマンションをつくるのではなく、街並みへの意識やこれからの市場における問題意識からあえて複雑なデザインに挑戦しているのはとても頼もしいです。複雑な構成はその分コストを挙げる要因になりますが、コスト増を魅力的な建築デザインによってカバーして、成立させているのもさすがです。

設計:住友不動産
所在地:東京都中野区
アクセス:中野駅より徒歩約10分
竣工:2013年
備考:2013年度グッドデザイン賞
5.NSPビル

NSPビルは、早稲田通りからビル1つ隔てた場所に建つ住宅併用のオフィスビルです。
採光や法規制など厳しい敷地条件をクリアするために、矩形のブロックを組み合わせた丘のような構成となっているのが特徴の建築。
建物を演出する吹き抜けやトップライト、テラスや外部空間などのしかけは、これらの厳しい制約条件をクリアするために生み出されたものですが、そんなことは全く感じさせない美しい構成や形態に惚れ惚れしてしまう建物です。

設計:宮崎浩/プランツアソシエイツ
所在地:東京都中野区新井2-30-7
アクセス:中野駅より徒歩約8分
竣工:1997年
備考:2000年日本建築学会作品選奨
6.旧中野刑務所正門

旧中野刑務所正門は、1915年(明治43年)に建てられ、1983年(昭和58年)まで使われた正式名称 豊多摩刑務所の正門で、現存する豊多摩刑務所唯一の構築物です。
中野刑務所は思想犯・政治犯が多く収容されていたことでも知られ、プロレタリア文学の作家小林多喜二などが収容されていたこともある場所。
設計者を手掛けたのは1909年に東京帝国大学建築学科を卒業し、司法省に入省した後藤慶二氏。後藤慶二氏は将来を切望されながら中野刑務所竣工の4年後に若干36歳の若さで亡くなっており、中野刑務所正門は後藤の代表作にして現存する唯一の作品でもあります。
この建物で特に注目したいのは、今ではほとんど見られない覆輪(ふくりん)目地を施した堂々としたデザイン。

覆輪目地は煉瓦の間の目地を盛り上げて施工する日本独自の技術で、 覆輪目地を設けることで煉瓦の目地が強調されて陰翳と立体感のある外観に仕上がります。
駅からはちょっと遠い建物ですが、近くを訪れた際には是非立ち寄ってほしい建築です。
設計:後藤慶二/司法省
所在地:東京都中野区新井3-37
アクセス:中野駅より徒歩約15分
竣工:1915年
備考:中野区有形文化財
2025年に曳家による移動が行われました
7.PROTO

PROTOは、中野区の新井に建つ地上6階建ての集合住宅・店舗です。
建物全体を縦横6マスずつの立体的なグリッドとして捉え、複数のマスが時には上下に、時には左右に繋がることで様々な住戸形式の住戸が計画されているのが大きな特徴。
さらに分割されたマスは道路側へ張り出したり、逆に引っ込ませて駐車スペースになったりしながら凹凸のある外観をつくりだしていて、それぞれの住戸の違いが街並みの表情へと変換されているのが素敵でした。


設計:納谷建築設計事務所
所在地:東京都中野区新井4
アクセス:沼袋駅より徒歩約6分、中野駅より徒歩約35分
竣工:2003年
■PROTO plus
さらに2009年には東側の敷地にPROTO plusという地上4階建ての増築棟が建てられました。

増築棟ではPROTOのエレベーターや階段を共用しながら90度回転した住戸や屋上の共用テラスがデザインされています。
限られた面積の変形敷地を既存の建築や立体的な構成によってプラスの要素に変換しているのが面白い建築です。

設計:納谷建築設計事務所
所在地:東京都中野区新井4
アクセス:沼袋駅より徒歩約6分、中野駅より徒歩約35分
竣工:2009年
8.PROTO passo

PROTO passoは、PROTOから程なく歩いたところに建つ地上4階建ての集合住宅です。
間口の半分はある大階段が前面道路から敷地内部へと人を導きつつその先の吹抜へと連続する構成が大きな特徴。
街路を建物の奥まで引き込んだり、各住戸は道路側へ向いた大きな開口が設けられるなど街との関係が多分に意識されているのも注目ポイント。
集合住宅でありながら各住戸は独立し、しかし住戸間や街との繋がりがデザインされているのも面白い建築です。


設計:納谷建築設計事務所
所在地:東京都中野区新井4
アクセス:沼袋駅より徒歩約6分、中野駅より徒歩約35分
竣工:2016年
後半も注目の中野の建築が盛り沢山です


