早稲田「早稲田大学国際文学館」村上春樹の魅力が体感できる建築をレポート

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今回は東京の早稲田大学のキャンパスにつくられた早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・早稲田大学国際文学館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・早稲田大学国際文学館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・早稲田大学国際文学館の建築的な見どころや注目ポイント

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1.早稲田大の元校舎を隈研吾氏の改修デザインでライブラリーに

今日訪れたのは、都電荒川線の始点駅でもある早稲田駅から歩いて5分ちょっとのところにある早稲田大学。

この早稲田大学のキャンパス内に2021年の秋にオープンした早稲田大学国際文学館、通称村上春樹ライブラリーを見学してきました。

早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリー

村上春樹ライブラリーはその名の通り、1975年に早稲田大学を卒業したOBでもある小説家・翻訳家の村上春樹氏に関連する様々な資料を収蔵、展示し、このライブラリーを国際的な文学の研究・交流拠点とすることを目的につくられた建築。
元々は4号館という名前の校舎の一つでしたが隈研吾氏率いる隈研吾建築都市設計事務所によって新たな建築として生まれ変わりました。

隈研吾氏といえば今や日本で一番有名な建築家といっても過言ではない人物。
隈研吾氏は以前このブログでも東京都内の隈研吾氏のデザインした建築についての記事を書きましたが、国内外問わず多くの建築を生み出しています。
関連記事
・建築家 隈研吾がデザインした東京都内のおススメ作品30選【東京】

大学キャンパスの都電荒川線早稲田駅方面の北東の入り口をはいると、早速今回の目的である村上春樹ライブラリーが見えてきます。

早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリー

白いコンクリートの外壁に対をなすような木質の庇が建物とキャンパスの際に伸びていて、建物のエントランスに導いてくれます。
庇は木で編まれたようなデザインとなっていて、以前紹介した外苑前のエスコルテ青山でみせたデザインのように木漏れ日がつくり出されています。

早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリー

やわらかな庇は建物の入口ではトンネルのような形に変化していて、文学の世界への入口を形作っています。

2.圧巻の建物内部!文学×建築をたっぷりと堪能

私が訪れた時は、建物内の一部を除いたライブラリーの多くは事前の予約が必要でした。
まずはエントランス右手のカウンターで受付を済ませます。
事前予約をしていなくても時間ごとに当日枠もありますが混雑状況は日によって大きく異なるようなので、可能であれば事前予約するのが吉です。
尚、事前予約や予約状況は公式HPから確認できます。

建物に入ってまず目に入るのが、地下から3層の大吹抜けによる「階段本棚」とよばれるゾーン。ちなみに階段本棚は予約は不要です。
3層の床を吹き抜けによってぶち抜いた村上春樹ライブラリーの目玉空間です。階段状に変化しながら舞台のように広がる本棚空間は圧巻。

村上春樹ライブラリー階段本棚

木質の本棚はそのまま緩やかなカーブを描いてトンネル状の空間となっています。
トランスの木のトンネルを受け継ぎ、現実の大学キャンパスから小説の物語の中にトリップするような巨大な装置となっています。
村上氏の小説にはトンネルのモチーフにした描写が何度も登場しますが、このトンネル状の空間はそんな村上氏の小説の世界を体現しているようです。

このトンネル空間は本の世界と現実の世界、古い建物と新しく生まれ変わった建物、日本と海外の国々など本来触れ合わなかった文化や歴史、体験が繋がることをイメージさせてくれます。

3.村上春樹氏が寄贈した様々なコレクションや資料を堪能

入口から向かって左手にあるギャラリーラウンジから先のエリアは事前予約が必要なエリアとなっています。

ここでは主に村上春樹氏から寄贈された書籍やレコードなど様々な資料が展示されています。
村上氏の小説だけでなく、村上氏が翻訳した作品などが一堂に介していて、その業績の幅広さには改めて驚かされます。また、これらの作品を横断的にみることで、村上氏のカラーや世界観を改めて感じられるのも面白かったです。

村上春樹ライブラリー

村上春樹ライブラリーでは、単なる資料の収集に留まらず、国際的な文学や翻訳の研究・交流拠点なることがその目的として掲げられていますが、こうした作品を見ていると翻訳という行為や、文学作品そのものがまさにトンネルのように、私達の日常と全く違った世界を繋いでくれる行為であることを実感できます。

奥のオーディオルームでは、CDやレコードなど村上氏が長い時間をかけて収集したコレクションが堪能できます。

決して広くはないですが、様々な観点から村上氏の文化的な側面を垣間見れ、刺激を受けるライブラリーとなっていました。

ちなみに上階は一般の来場者には非公開の閉架書庫や研究室・オフィスとなっています。

4.最後に地下のカフェ「橙子猫-Orange Cat-」でランチタイム

展示を一通り堪能した後は、再び本棚階段を下って地下のカフェでランチを頂きなました。

こちらのカフェ橙子猫-Orange Cat-は学生が運営していて、その店名も村上氏が早稲田大学時代に開いていたカフェにちなんでつけられています。

このカフェは地下にあるのですが、建物の建つ場所自体に大きな高低差があるので、側面は地上からもアクセスできます。

店外に目をやると、最初にみた木の庇越しに優しい光が降り注いでいて気持ちのいい空間となっています。

私が頂いたのは人気メニューでもある季節野菜のドライカレー。

村上春樹ライブラリーのカフェ

濃厚なルーに季節ごとの野菜がたっぷりと入ったカレーはランチにピッタリでした。
メニューはカレーの他にも、たらこのスパゲッティや、ケーキなど様々なので、ランチ利用からちょっとした休憩まで幅広く使われています。

村上春樹ライブラリーのカフェ

建築も展示も心ゆくまで堪能して、この日の建築巡りも大満足で終了。
とっても魅力的な建築ですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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2024年4月18日には「一級建築士矩子の設計思考」第3巻が発売になりました。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都新宿区西早稲田1-6
アクセス:早稲田駅から徒歩約6分
竣工:2021年(改修)
開館時間:10:00~17:00
入館料:無料
公式HP:https://www.waseda.jp/culture/wihl/


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