久が原「昭和のくらし博物館」昭和の暮らしが体感できる実物大の博物館をレポート

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今日は久が原にある昭和のくらし博物館を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・昭和のくらし博物館を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・昭和のくらし博物館の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・昭和のくらし博物館の見どころや注目ポイント

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1.大田区の住宅街の中に建つ昭和の建築・暮らし博物館を訪問

今回訪れたのは、東京都大田区の久が原と下丸子の中間地点にある昭和のくらし博物館(旧小泉家住宅主屋)です。

この日はたまたま東急池上線の久が原駅から東急多摩川線の下丸子駅の間を歩く用事があったのですが、ちょうど中間地点に登録有形文化財にもなっている旧小泉家住宅主屋を改修した昭和のくらし博物館があったことを思い出して、立ち寄ってきました。

昭和のくらし博物館は、1951年に当時東京都の建築技師だであった小泉孝が自邸として設計した建物を改修した博物館です。
旧小泉家住宅は、一時は取り壊しを検討したこともあったそうですが、庶民の暮らしを後世に伝えるために、小泉孝氏の長女であり生活史研究家の小泉和子氏が中心となり、1999年に昭和のくらし博物館として公開されました。

昭和のくらし博物館は久が原と下丸子のちょうど中間地点にあり、駅からは約8分ほど歩いたところにあります。
初めて訪れる際はちょっとわかりずらいですが、昭和のくらし博物館は写真のような住宅地の合間の路地を進んだ先にあります。

マップを見ながら本当にこの先にあるのかと不安になりながら路地を進んでいくと、急に昭和の雰囲気を残した建物が見えてきます。

正面に見えるのが1951年に建てられた主屋部分、手前の左手にいえるのが受付兼ミュージアムショップ・ギャラリーとなっていますので、まずは受付でチケットを購入します。

2.戦後の庶民住宅のお手本ともいえる工夫溢れる建物を見学

こちらは昭和のくらし博物館の入口にもなっている、旧住宅の主屋部分です。
木造2階建ての建物は、1階に玄関・応接室兼書斎、茶の間、座敷、階段を上がった2階に子供部屋と下宿人の部屋があり面積はピッタリ18坪となっています。

館内は一部を除いて撮影禁止でしたので内部の写真はないのですが、これらの諸室が基本的にはそのまま残されて、当時の暮らしの様子を伺い知ることができます。
ピッタリ18坪となっているのは、戦後1950年に始まった旧建設省・財務省の住宅資金の直接貸付機関である住宅金融公庫の融資の住宅面積の上限が18坪であったからです。

設計を行った小泉氏は東京都でその審査を行っていた建築技師であったので、この戦後住宅の基準を守り、最大限活用しながら、そのお手本ともいえる住宅を設計しました。

技術面・予算面・法律面から戦後の庶民の暮らしの器のプロトタイプのような住宅となっていて、家具や暮らしの道具と一緒にこれらの建築を追体験できるのは、とても面白かったです。

建物としては、1階から2階まで同じボリュームで真っすぐに立ち上がった造りの住宅なのですが、板の貼り方や窓の転落防止の手すりなどで単純な矩形建築にならないデザインがなされていて、シンプルな中に豊かな多様性を感じるデザインとなっているのも面白いです。

また、戦前の住宅に見られるような伝統的な建築様式や諸室を省略したり、玄関を入ってすぐの所に当時の一般住宅にはあまり見られなかった応接室(書斎にもなっています)などを設けるなど、ある意味で合理的且つ最先端のモダン住宅となっているのも魅力のひとつです。
戦後という新たな時代がスタートする中で、新しい時代に人々のあるべき暮らしを実現しようとする意思と工夫がいたることろに垣間見れます。

一方で裏口に設けられた竈やまき割りスペースなどから、戦後間もないの暮らしがよく分かります。
こちらのスペースは復元されたものですが、こうした当時の暮らしぶりについては、今や博物館以外では中々見ることのできないものとなっているので、実際の住宅に付随してみることができるのはとても貴重ですね。

3.新館の展示スペースから敷地内の注目の彫刻までたっぷりと堪能

建物の奥には後の時代に増築され、1992年に建て替えた2階建ての新館が接続されています。

1階の縁側に接続された談話室は、見学の合間に一休みできる他、イベントスペースとしても利用されているそうです。

昭和に関連する書籍やこの住宅の関連本、住宅の模型などもなども置かれていて、とても興味深く見学しました。

また、2階の小泉和代記念室では、小泉孝氏の次女の和代さんの作品展や、時期によっては企画展示室としても活用されています。

敷地内でもう一つ注目なのが、彫刻家の籔内佐斗司氏による彫刻「子育て地蔵」

籔内佐斗司氏といえば東京藝術大学の教授を務め、平城遷都1300年記念事業のマスコット「せんとくん」をデザインしたことでも知られる彫刻家です。

何か気になるものが目に入ったと思い、籔内佐斗司氏らしい彫刻だなと思いながら見ていると、受付の方が籔内佐斗司氏の作品であると教えてくれました。
ひっそりと佇んでいて、大人の目線だと気づきづらい場所にあるのがまた面白かったです。

興味深い建物と展示をたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもおススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

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昭和のくらし博物館(旧小泉家住宅主屋)
設計:小泉孝
所在地:東京都大田区南久が原2-26-19
アクセス:久が原駅より徒歩約8分、下丸子駅より徒歩約8分
竣工:1951年(主屋)
開館時間:10:00~17:00
入館料:
 昭和のくらし博物館:大人500円、小中高校生300円
 画家吉井忠の部屋:大人400円、中高校生200円
 2館入館料:大人700円、中高校生400円
開館日:金曜、土曜、日曜
備考:登録有形文化財(旧小泉家住宅主屋)
公式HP:http://www.showanokurashi.com/


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