秩父「NIPPONIA秩父 門前町」レトロ建築を改修したカフェ・ホテルをレポート

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今回は埼玉県秩父市にあるNIPPONIA秩父 門前町を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・NIPPONIA秩父 門前町を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・NIPPONIA秩父 門前町の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・NIPPONIA秩父 門前町の建築的な見どころや注目ポイント

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1.秩父に残るレトロ建築を改修した分散型ホテル&カフェを訪問

今回訪れたのは、は埼玉県の秩父市にあるNIPPONIA秩父 門前町です。
建築好きとしてはレトロな街並みが残る秩父は、何度も建築巡りに訪れたこともある思い出の場所でしたが、2022年に秩父の近代建築を改修してつくららた分散型宿泊施設NIPPONIA秩父 門前町がオープンしたと聞き、早速訪れてきました。

NIPPONIA秩父 門前町

秩父といえば、埼玉県の西側エリアにある秩父山地に囲まれ、秩父盆地の中央部にある中心市街地は豊かな自然の恵みに囲まれた要所として古くから多くの人々に親しまれてきた土地でもあります。

明治に入ってからは、元々盛んであった養蚕が国需もあり発展して秩父銘仙として全国に知れ渡り、大正時代に上武鉄道(秩父鉄道)が開通して以来、セメントをはじめとした近代産業によって日本の近代化や経済成長に大きく貢献しました。

今回訪れたNIPPONIA秩父 門前町は、まさにそんな秩父の近代化と共に建てられた建物を再生したホテルプロジェクトです。

旧小池煙草店
改修前の旧小池煙草店

明治元年に建てられ、昭和初期にかけて改修・増築がされた旧マル十薬局をMARUJU棟として、秩父神社の参道に面して建つ1934年築の旧小池煙草店・宮谷家をKOIKE・MIYATANI棟とした分散型ホテルとなっています。

2.秩父を代表する近代建築のカフェで頂くとっておきのスイーツ

西武秩父駅をでて、秩父神社に向けた参道をほどなく歩くと見えてくるのが、旧小池煙草店(KOIKE・MIYATANI棟)です。

NIPPONIA秩父 門前町

旧小池煙草店は、秩父の近代建築の中でも特によく知られていた建築でもあります。
以前は外観を見学するのみでしたが、お隣に併設して建つ宮谷家と合わせてホテル兼カフェとして生まれ変わっています。

角地に合わせてアールにカーブした外壁と、外壁に沿ってあしらわれた細かな装飾、繊細でモダンな窓装飾など昭和初期らしさが随所に表れています。
1階の角部に設けられた窓に残るのは、元々は煙草店だった面影です。

旧小池煙草店

決して派手さはないですが、例えば開口部は斜めのデザインが用いられているのに対して、お隣の壁面は水平垂直に走るランダムな形の目地があしらわれていたりと、工夫に満ちた自由で楽しげなデザインが散りばめられているのが面白いです。

北側部分は元々は着物店として利用された店舗となっていて、現在は旧小池煙草店の2階と合わせてホテルとして活用されています。

NIPPONIA秩父 門前町

ちなみにKOIKE・MIYATANI棟は客室のみとなっていて、ホテルのレセプションや食事スペースは少し離れた所に建つMARUJU棟にまとめららています。

旧小池煙草店の1階は小池カフェとして宿泊者以外にも開放された喫茶店となっているのも注目ポイントです。

小池カフェ

今回頂いたのは、こちらの酒桝きな粉ティラミスと紅茶のセット。 埼玉県産の「借金なし大豆」のきな粉が枡いっぱいにあしらわれた人気メニューです。

きな粉の香りがほんのりと香るプルプルのティラミスは絶品のお味でした。

小池カフェ

メニューは他にも小鹿野町産のほうじ茶にきな粉のホイップクリームを合わせたきな粉ラテなどのドリンクや、パンナコッタパウンドケーキなどのスイーツもあり、観光や建築巡りの合間の休憩にもピッタリです。

小池カフェ

すり硝子越しに番場通りのレトロな街並みと、そこを行き交う人々を眺めながら過ごすティータイムは至高のひと時でした。

小池カフェ

小池カフェは週末を中心とした曜日限定ではありますが、文化財の建物を内部から堪能できる素敵なカフェでした。

3.蔵を活用した客室で味わう特別な宿泊体験

KOIKE・MIYATANI棟から程なく歩くと、ホテルのレセプションや食事スペースも兼ねたMARUJU棟がみえてきます。

NIPPONIA秩父 門前町

このMARUJU棟は、明治元年に米問屋として建てられ、昭和初期にかけて改修・増築がされた旧マル十薬局を改修してつくられた建物です。

NIPPONIA秩父 門前町

表の旧商店部分はホテルのレセプション兼フレンチレストランにもなっています。

建物の奥は客室となっていますが、さらに裏手に建つ2棟の蔵は、それぞれ1棟貸切の宿としてリノベーションされています。

今回宿泊したのは、こちらの蔵を改修したお部屋です。
元々蔵として使われていた空間は、高い天井高の客室となっていて、風合い豊かで贅沢な空間を堪能できます。

NIPPONIA秩父 門前町

力強く屋根を支える柱や梁に囲まれた陰影豊かな空間は、非日常的ですが不思議と落ち着く空間となっていたのも印象的でした。

NIPPONIA秩父 門前町

通常の宿は面積が広くても天井高はある程度決まったものになりがちですが、蔵を使った一棟貸しの客室は、そうした縛りのない伸びやかで開放的な空間となっています。

玄関や水回りは蔵に併設して増築されていて、広々とした洗面カウンターやトイレなど、宿泊施設としてのクオリティーも高いです。

特にお風呂は木の香りが空間全体に漂う豪華な作りとなっています。
足を伸ばしても向こうの端につかないくらい広々とした浴槽で、ゆっくりと旅の疲れを癒すことができました。

建物としてはかなり古いですが、玄関や水回りを丸々増築することで、客室部分は昔の面影を残した空間を、水回りは広々としたスタイリッシュなデザインを実現しているのも素敵です。

お部屋は他にも、和室をベースにしたお部屋やメゾネットタイプのお部屋など様々なタイプがあるようなので、次回訪れたときには別のお部屋も体験してみたいと思います。

今回朝食はMARUJU棟のレストランで頂きました。
地元秩父で収穫された地場の野菜や、地元の川で獲れた川魚が小鉢に並んだ和定食がとても贅沢です。

秩父名物の味噌や梅干しなども味わえて、秩父の味覚をたっぷりと味わうことができました。

素敵な建築を心ゆくまで堪能して、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、皆さんも機会があればぜひ訪れて、その空間と味を堪能してみて下さいね。

NIPPONIA秩父 門前町

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NIPPONIA秩父 門前町
所在地:
 埼玉県秩父市宮側町17-5(MARUJU棟)
 埼玉県秩父市番場町17-10(KOIKE・MIYATANI棟)
アクセス:
 秩父駅より徒歩約5分(MARUJU棟)
 御花畑駅より徒歩約3分、西武秩父駅より徒歩約8分(KOIKE・MIYATANI棟)
竣工:1868年~昭和初期(MARUJU棟)、1934年(KOIKE・MIYATANI棟)
備考:登録有形文化財(KOIKE・MIYATANI棟)
公式HP:https://nipponia-chichibu.jp/

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