今回は、大田区の洗足池周辺で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・洗足池エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・洗足池エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
1.洗足池駅

まずはじめに紹介する洗足池駅は、戦前の1934年に建てられた駅舎です。
近年池上線は「木になるリニューアル」としてこの後紹介する長原駅を含む駅の改修が進んでいますが、実は戦前に建てられた駅舎がいくつも残る路線でもあります。
1922年に池上~蒲田間、1928年に全線開通となった池上線ですが、現在の洗足池駅は1934年に目黒蒲田電鉄(現在の東急)に買収された時代の駅舎が改修を重ねがながらも残されてます。
三角屋根の親しみやすいスケールの駅舎と、高架を支える無骨な土木構築物の両方が味わえるお気に入りの駅です。


所在地:東京都大田区東雪谷1-1-6
竣工:1934年
2.妙福寺祖師堂(旧七面大明神堂)

妙福寺祖師堂(旧七面大明神堂)は、元々は江戸時代後期の1833年に七面大明神堂として建てられ、1927年に現在地に移築されたお堂です。
妙福寺は、元々この地にあった池のほとりにあった御松庵にルーツを持つお寺です。伝承では1282年に日蓮が現在の池上本門寺に向かう途中に池の傍の松の木に法衣をかけて手足を洗った際に池から七面天女が現れたといい、ここから現在の洗足池という名がついたそうです。
一部増築された部分はありますが、江戸時代の建築を今に伝える洗足池の貴重な文化財建築です。


所在地:東京都大田区南千束2-2-7
アクセス:洗足池駅より徒歩約3分
竣工:1833年
備考:国登録有形文化財
3.勝海舟記念館

勝海舟記念館は、洗足池からすぐの場所に建てられた勝海舟の記念館です。
元々この建物は1928年に勝海舟に関する財団法人清明会の講堂兼図書館として建てられたもので、2012年に大田区が買い取った後に2019年に大田区立勝海舟記念館としてリニューアルオープンしました。
リニューアルあたっては、元々のの仕上げの上に塗られていた塗装材を剥がして竣工当初の仕上げに戻すなど、各所で昔の建物の記憶が復元されています。
内部では、旧建物と新建物が吹抜けを介して1つになり、旧建物の外壁がそのまま建物の内装になっていているなど新旧の対比が味わえるのも注目ポイントで、素敵な建物と歴史の軌跡をたっぷりと堪能することができます。


詳細記事
・洗足「勝海舟記念館」近代建築と現代建築の融合した建物を徹底レポート
改修設計:佐藤総合計画
所在地:東京都大田区南千束2-3-1
アクセス:洗足池駅より徒歩約5分
竣工:1928年(2019年増築)
備考:国登録有形文化財
4.コートデコ洗足レイクサイド

コートデコ洗足レイクサイドは、洗足池の西側に建つ地上3階地下1階建て総戸数16戸の集合住宅です。
北側に洗足池公園を望む立地を最大限に活かし、L字にクランクさせたプランとメゾネットによる立体構成住戸が並ぶ独特の集合住宅となっていて、外部環境を取り込んだ豊かな集合住宅が目指されているのが特徴です。
バッファゾーンを設けることで、内部はの環境負荷を減らしつつ、街に対しても豊かで心地よい景観と外部空間をもたらしているのも素敵です。


設計:HAN環境・建築設計事務所
所在地:東京都大田区南千束2-31-8
アクセス:洗足池駅より徒歩約2分
竣工:2007年
備考:2007年度グッドデザイン賞
5. 洗足池エコヴィレッジ

洗足池エコヴィレッジは、コートデコ洗足レイクサイドのすぐ近くに建つ地上3階地下1階建て総戸数16戸の集合住宅です。
コートデコ洗足レイクサイドが南北軸を活かした建物だったのに対して、洗足池エコヴィレッジ高低差のある敷地を活かしながら、各住戸をずらしながら配置する平面構成によって外部環境との豊かな関係をつくり出しているのがとても興味深いです。
都心の住宅街にあって光や風を巧みに取り入れる仕掛けがユニークな、洗足池の注目住宅です。


設計:川辺直哉建築設計事務所
所在地:東京都大田区南千束2-30-1
アクセス:洗足池駅より徒歩約3分
竣工:2014年
6.ウェルストン45

ウェルストン45は、中原街道に面して建つ地上4階地下1階建てのオフィスビルです。
緩やかにカーブする交差点に建つ建物は、道路の流れを受け流しつつつも、その流れが結節するエネルギッシュなイメージも感じます。
コンクリート、アルミ、石、ガラスといった様々な材料が組み合わさったデザインも、1980年代らしい勢いとスリリングさを感じます。


設計:アトリエ慶野正司
所在地:東京都大田区上池台1-21-1
アクセス:洗足池駅より徒歩約3分
竣工:1988年
7.KAMIIKEDAI2155

KAMIIKEDAI2155は、洗足池駅前の中原街道沿いに建つ地上9階建ての集合住宅・店舗・オーナー住居です。
各住戸は南北に抜ける1フロアと、住戸エントランスや水回りがまとまった上下2層のメゾネットになっているのが特徴で、自然や風が抜ける開放的な住居と、バルコニーが規則的に並ぶ端正だけれどリズミカルな外観デザインが実現しています。
住戸の形式と内外観デザインと構造計画が互いに最適化され、魅力的な住環境と将来的なフレキシビリティーが両立しているのもユニークです。


設計:DNI+デベロップデザイン
所在地:東京都大田区上池台2-15-5
アクセス:洗足池駅より徒歩約2分
竣工:2009年
備考:2010年度グッドデザイン賞
8.FRAME

FRAMEは、中原街道から少し距離をおいた坂道に建つ地上5階建ての集合住宅です。
コンクリートのマッシブなボリュームと視線の抜けるコーナー窓が印象的な建物は、スタイリッシュでありながらどこか街に開いた親しみやすさを感じるデザインとなっているなが面白いです。
階段を上がったところにはいるAOI Coffeeも注目のスポット。自然光が差し込む明るく優しい装いの店内空間で美味しいコーヒーやスイーツをいただける街のリビングのようなカフェとなっています。


設計:平成建設
所在地:東京都大田区上池台2-1-15
アクセス:洗足池駅より徒歩約2分
竣工:2020年
備考:2021年度グッドデザイン賞
9.洗足池スタイルハウス

洗足池スタイルハウスは、FRAMEの建つ坂道をさらに進んだところに建つ地上3階地下1階建て総戸数19戸の集合住宅です。
閑静な住宅街に建つ落ち着いた雰囲気の外装の建物ですが、敷地の自然や外部環境を享受するためメゾネット形式による立体的な住戸構成となっているのが特徴です。
立体構成を活かし、ライトコートと呼ばれる吹き抜け空間を設けるなど、都心の限られたスペースの中で最大限豊かな住環境を享受できるような様々な工夫が凝らされているのも素敵な建物です。


設計:芦原太郎建築事務所
所在地:東京都大田区上池台2-10-6
アクセス:洗足池駅より徒歩約5分
竣工:2004年
備考:2005年度グッドデザイン賞
10.長原駅

続いて紹介する長原駅は、東急池上線の洗足池駅のお隣に位置する駅です。
元々の駅舎は昭和中期〜後期ごろに建てられたものですが、2021年にトラフ建築設計事務所による改修デザインでリニューアルされました。
小さなスケールの商店が並ぶ改札前は多摩産材の木ルーバーが訪れる人を迎え入れ、内部では落ち着いた風合いのグリーンタイルに切り替わるデザインはどこか優しく人懐っこさを感じるのが面白いところ。
ホームでは既存の躯体をライティングすることで光のゲートがデザインされているのも注目ポイントで、限られた改修の中で古い駅舎がアップデートされています。


改修デザイン監修:トラフ建築設計事務所
改修設計:東急電鉄+交建設計
所在地:東京都大田区上池台1-10
竣工:2021年(改修)
11.カトリック洗足教会

カトリック洗足教会は、環状七号線から1本路地を入ったところに建つ教会です。
現在の建物は戦後間もない1950年に建てられた木造建築で、実に75年の歴史がある建物となっています。
尖塔アーチの窓がリズミカルに並び、柱上部に赤い装飾屋根がアクセントとなったシンプルな外観ですが、実は見どころが満載。
2024年に訪れた時は外装のメンテナンス中でしたが、現在は工事も終わり再び美しい姿となって地元のランドマークとしてその姿を現代に伝えています。


所在地:東京都大田区上池台4-7-5
アクセス:長原駅より徒歩約6分
竣工:1950年
12.ローゼンハイム雪谷

ローゼンハイム雪谷は、洗足池から少し離れた雪谷エリアに建つ地上3階建ての集合住宅兼オーナー住宅です。
真っ赤な外装と軽やかに宙を渡るブリッジが印象的な建物は、強いインパクトがありつつも、街から一歩引いた佇まいもあって街並みに溶け込んでみえるのが印象的でした。
ちなみに設計者である建築家の林寛治氏は長原に建つ自邸が自身の代表作として知られていますが、こちらも赤い外装と路地を活かしたデザインとなっていて、この建築との共通点が多くあるのも興味深いです。


設計:林寛治/林寛治設計事務所
所在地:東京都大田区東雪谷2-33-5
アクセス:洗足池駅より徒歩約7分、石川台駅より徒歩約3分
竣工:1995年
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