山梨県甲府で建築巡り!おススメの名建築19選を紹介【山梨県甲府】

建築巡りまとめ

今回は私が訪れた中から山梨県甲府市の建築について紹介したいと思います。
甲府市は建築界では伝説的といっていいほど有名な山梨文化会館をはじめ、東京タワーの設計者としても知られる内藤多仲の建築や現代日本で最も注目される建築家の一人である伊東豊雄氏の建築などの建築が密集する他に類を見ない建築パワースポットとなっています。

紹介する建築は建てられた年代順に見ていきますので、最初は近代建築から徐々に近年の建築、そこから徐々に現代に近づいていきます。
では早速見ていきましょう。

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1.謝恩碑(伊東忠太+大江新太郎)

謝恩碑甲府城跡内にある記念碑で、山梨県内にあった皇室の山林を御下賜されたことを記念してつくられました。この山林は現在恩賜林とも呼ばれていますが、この謝恩碑を設計したのは当時明治神宮造営局にいた伊東忠太、大江新太郎です。
伊東忠太といえばこちらの記事でも紹介した築地本願寺をはじめ数々の名建築を残していますが、こちらの謝恩碑は今は消失して残っていませんが伊東が設計した明治神宮の翌々年の建設となります。

高さ60尺(約18m)の塔は伊東の設計にしてはかなりシンプルですが、甲府城の跡地に城ではなくシンプルな塔が建ちランドマークとなっている風景は大変面白く感じました。

設計:伊東忠太+大江新太郎
所在地:山梨県甲府市丸の内1-5
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1922年

2.甲府法人会館(内藤半二郎)

甲府法人会館は元々は甲府の商工会議所として建てられ、設計は内藤半二郎によるものです。
建築家ら60年以上が建ち、建物の状態がだいぶ痛んでいた中、1990年に建築家清家清の指導のもと大規模な改修が行われて再生されました。直線的に伸びる柱やバルコニーの意匠が特徴的で、その後1階の一部も改装されて現在は甲府中央四郵便局が入って市民に親しまれています。
ちなみに近くには2000年に竣工した新甲府商工会議所が建っています。

設計:内藤半二郎
所在地:山梨県甲府市中央4-12-21
最寄駅:甲府駅徒歩10分
竣工:1926年

3.JR南甲府駅

JR南甲府駅は当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの2階建ての駅舎です。
当時千葉方面のターミナル駅として栄えた両国駅が1929年、上野駅が1932年の竣工なのでそれより前に建てられた鉄筋コンクリートの駅舎としてはかなり貴重な建築といえます。

当時は貴賓室や2階には食堂、そして屋上庭園もあったというから驚きです。甲府の建築はこの南甲府駅からアクセスする建築も数多くあるので訪れた際には要チェックです。

所在地:山梨県甲府市南口町1
最寄駅:南甲府駅徒歩0分
竣工:1928年

4.山梨県議会議事堂(佐野利器+山梨県庁建築課)

山梨県議会議事堂は山梨県庁舎旧本館に隣接して建てられ、山梨県庁舎旧本館と合わせて当時の山梨県の中核をなす建物です。
設計に当たっては辰野金吾の弟子であり現在の清水建設の副社長も務めた建築構造学者である佐野利器が指導を行ったとされています。
車寄せの柱や外壁下部の腰部には花崗岩、その上部は特殊タイルが貼られて屋根は瓦葺きになっていて、外観は当時の内容が忠実に残っており、堂々とした佇まいに圧巻されてしまいました。

設計:佐野利器+山梨県庁建築課
所在地:山梨県甲府市丸の内1-6-1
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1928年

5.山梨県庁舎旧本館(佐野利器+山梨県庁建築課)

山梨県庁舎旧本館は県議会議事堂とほぼ同時期に建てられ、設計は同じく佐野利器と山梨県庁建築課が行っています。
議会議事堂とは渡り廊下で接続されて兄弟のような建築となっていますが、こちらも外壁に伝う木枝がまるで生き物のように張り巡らされていることからもその歴史を感じさせられます。建物だけでなく、植栽の花壇のデザインもしゃれているので訪れた際には是非チェックしてみて下さい。
ちなみに旧知事室、旧知事応接室等も公開されていて内部もじっくり見学することができます。

設計:佐野利器+山梨県庁建築課
所在地:山梨県甲府市丸の内1-6-1
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1930年

6.旧山梨県立図書館(久留中)※現存せず

山梨県庁南別館は山梨県出身の政治家であり実業家でもあった根津嘉一郎氏の寄付によって建てられ、元々は県立図書館でした。
1970年に県立図書館が移転した後は山梨県庁南別館として利用されていましたが、耐震性や活用方法の問題から2010年に解体されてしまいました。

尚、1970年に移転した図書館は鬼頭梓の設計でしたが、こちらも2012年に解体され現存はしていません。現在の県立図書館は2012年に久米設計・三宅建築設計事務所共同企業体の設計によって建てららたものです。

設計:久留中
所在地:山梨県甲府市丸の内1-6
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1930年


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7.旧甲府郵便局舎(山田守)※現存せず

旧甲府郵便局舎は日本武道館の設計でも知られる山田守によって設計された建築です。
近年まで甲府市役所4号館として使用されていましたが、こちらも2010年に解体されてしまいました。
交差点に建ちアールの曲面は当時の郵便局などによく見られるデザインですが、上階が白い塗装で、下階が暗めのタイルとなっていて建物の2階部分が浮きあがるようなデザインとなっています。

まるで当時世界で流行していたインターナショナルスタイルの建築のようだと思って調べてみると、ル・コルビュジエのサヴォア邸は1931年の竣工で旧甲府郵便局舎と同じ年の竣工でした。サヴォア邸の設計開始が1928年なので、ひょっとしたら山田守もコルビュジエのスケッチや作品を見ていち早くそれをこの建築にとりいれたのではないかと思っています。

設計:山田守
所在地:山梨県甲府市
竣工:1931年

8.甲府武徳殿

甲府城武徳殿は舞鶴城公園内にある謝恩碑のすぐ隣に建つ武道場です。
板敷の剣道場と畳敷の柔道場からなる建物で、建設から80年以上建ちますが未だに現役で使われています。
寺院のようにも見える建築ですが、内部を覗くと見事な格子天井が見えました。もともとは観覧席まであったそうで、長い歴史を感じる建物です。

所在地:山梨県甲府市丸の内1-5
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1933年

9.舞鶴城稲荷櫓

続いて紹介するのは舞鶴城公園内に建つ稲荷櫓です。
甲府城は、江戸時代に建設されましたが明治時代に廃城となり、明治10年前後には城内の主要な建物はほとんどが取り壊されてその姿はわずかな資料に確認されるのみとなっていました。
近年行われた発掘調査で遺構が発見され、2004年に残っていた絵図や史料とを照会してできるだけ当時の姿に復元した稲荷櫓が再建されました。

所在地:山梨県甲府市丸の内1-4
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:2004年

10.甲斐善光寺

甲斐善光寺は甲府市善光寺にある浄土宗の寺院です。
善光寺は長野県のものも有名ですが、こちらの甲斐善光寺は1558年の川中島の合戦の際にに武田信玄が信濃善光寺からご本尊を避難させたことが始まりとされています。
現在の本堂は1789年の上棟で、1767年に上棟した山門と合わせて国の重要文化財に指定されていて、その荘厳な佇まいに圧巻されます。

所在地:山梨県甲府市善光寺3-36-1
最寄駅:善光寺駅徒歩7分
竣工:本堂:江戸時代・寛政元年(1789年)
   山門:江戸時代・明和4年(1767年)

11.恩賜林記念館(小尾嘉郎)

まず最初に紹介する恩賜林記念館は舞鶴城公園の中にある恩賜林保護団体が御下賜40周年記念事業として建てた記念館です。
一見コンクリート建造物に見えますが木造2階建ての建築で、恩賜林内から産出した材材を使用しているのが特徴です。外壁は花崗ブロックでつくられ、窓のサッシもよく見ると木造であることに驚きます。
ちなみに設計者の小尾嘉郎の現存する作品はほとんどありませんが、現在は「キングの塔」として親しまれている横浜の神奈川県庁本庁舎はコンペで1等となった小尾嘉郎案をもとにつくられています。

設計:小尾嘉郎
所在地:山梨県甲府市丸の内1-5-4
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1953年

12.山梨県民会館(内藤多仲+明石信道)※現存せず

山梨県民会館東京タワーの設計者としても知られる山梨県出身の内藤多仲らによって設計されました。東京タワーの竣工が1958年ですので、ほぼ同時期に進行していたプロジェクトとなります。
構造設計者らしい荒々しくも力強いフレームの構造体が特長の建物で、山梨県内で初めての大型公会堂や大小ホールや映画講堂から成る公会堂部分と、貸しビルを主としてこちらも県内で初めての公共展覧会場や結婚式場、レストランからなるオフィス棟で構成され、甲府の発展の象徴として半世紀以上の時を刻んできました。
甲府のランドマークとなっていた建築ですが、公会堂部分は1999年に、そして残りの部分も2015年に解体されてしまいました。

設計:内藤多仲+明石信道
所在地:山梨県甲府市丸の内1-9-11
最寄駅:甲府駅徒歩10分
竣工:1957年

13.山梨県庁舎本館(内藤多仲+明石信道)

旧本館に隣接する山梨県庁舎本館内藤多仲と明石信道による設計の庁舎です。
細部の意匠が武骨でありながら他では見られない独特な意匠となっていて味わい深い建築です。
2002年に横河建築設計によって免震レトロフィット工事と内部の全面改修・再生が行われました。
また、2013年には更に南側に隣接する形で山梨県庁舎防災新館「やまなしプラザ」(設計:清水建設)が竣工していてこちらも合わせてみておきたい建築です。

設計:内藤多仲+明石信道
所在地:山梨県甲府市丸の内1-6
最寄駅:甲府駅徒歩5分
竣工:1963年

14.山梨文化会館(丹下健三)

山梨文化会館は戦後の大建築家丹下健三によって設計され、その後一大ムーブメントともなったメタボリズム(新陳代謝)運動の代表的な建築です。
こちらの「丹下健三の静岡新聞ビルは銀座に残された1本の樹だった」でも紹介している東京銀座の静岡新聞ビルとほぼ同時期に計画され、静岡新聞ビルが一本の木であればこちらはそれらが連結された森のような建築です。
メタボリズム建築の中でも、後年になって実際に何度が増改築がなされた珍しい建築で、丹下健三の代表作の1つとなっています。

設計:丹下健三
所在地:山梨県甲府市北口2-6-10
最寄駅:甲府駅徒歩2分
竣工:1966年

15.遠光寺本堂(内藤多仲)

遠光寺本堂は400年以上の歴史を持つ歴史ある寺院で、日蓮大聖人の生誕750年を記念して山梨出身の内藤多仲の設計によって建てられました。
法隆寺の夢殿を模したと言われるその意匠は構造設計者であった内藤らしく力強さと安定感・安心感がみなぎっています。
後から気付いたのですが、何気に写真右側に見えるアプローチの腰壁の○△□の腰壁がかわいいですね。

設計:内藤多仲
所在地:山梨県甲府市伊勢2-2-3
最寄駅:南甲府駅徒歩10分
竣工:1970年

16.山梨県立県民文化ホール(日建設計)

山梨県立県民文化ホール日建設計の設計による文化ホールです。
甲府には県民会館などの名建築が数多くありましたが、老朽化やキャパシティ等の問題もあって次の時代にふさわしい文化ホールが必要となり建設されました。
以前紹介した館林市文化会館もそうですが、高低差のある敷地に溶け込むように建つ文化ホールはこの時期の日建設計によく見られ、一目見て日建設計と分るものでした。

設計:日建設計
所在地:山梨県甲府市寿町26-1
最寄駅:甲府駅徒歩10分
竣工:1982年

17.甲府市総合市民会館(山下設計)

甲府市総合市民会館山下設計によるアリーナ、ホール、公民館などの複合文化施設です。
外観は三角の屋根や上階を空に溶け込ませるかのようなハーフミラーガラスの意匠が特徴的です。
内部に入ると様々な用途の施設を結び付けるイベントモールがあり、まるで街中のように明るく開放的で、リズミカルな柱と壁、自然光が降り注ぐ屋根が印象的でした。

設計:山下設計
所在地:山梨県甲府市青沼3-5-44
最寄駅:南甲府駅徒歩15分
竣工:1989年

18.ラッキー商会LUCKY Open Factory(PROCESS5 DESIGN)

ラッキー商会LUCKY Open Factoryは国内のジュエリー生産額の約1/4を占める宝石生産地と知られる山梨県に建つ老舗ジュエリーメーカーラッキー商会の社屋兼工場です。
私が訪れた時は改装前でしたが、2013年に大規模改修がなされ、工場見学やオリジナルジュエリーの制作体験ができるラッキーオープンファクトリーがオープンしました。
次回訪れる際には是非とも内部を見てみたい建築です。

設計:PROCESS5 DESIGN
所在地:山梨県甲府市湯田2-10-12
最寄駅:南甲府駅徒歩3分
竣工:1982年(2013年改修)

19.山梨学院大学

山梨学院大学は様々な建築が集結する建築好きには堪らないキャンパスです。
キャンパスセンター、隣接する山梨学院大学附属小学校をはじめ付属する校舎やモニュメントの設計をハンガリー出身の建築家パルフィー・ジョージ氏が行っています。
パルフィー・ジョージ氏は著名な神経内科医である父を持ち東京大学大学院を修了した後は建築家團紀彦と共働の事務所を開設していたり、医療建築を中心に様々な建築・映像作品を残した人物です。
また、2015年年に竣工した国際リベラルアーツ学部棟の設計は伊東豊雄氏と清水建設が行うなど、キャンパス全体で現代建築を堪能しつくせる学校となっています。

キャンパスセンター、附属小学校他多数 設計:パルフィ総合建築計画
国際リベラルアーツ学部棟 設計:伊東豊雄+清水建設
所在地:山梨県甲府市酒折2-4-5他
最寄駅:酒折駅下車徒歩3分、善光寺駅下車徒歩12分。

いかがでしたでしょうか。
ここまで見てきただけでも甲府の建築の充実ぶりに改めて驚愕しました。
今回紹介した以外で未見学甲府市庁舎(日本設計/2013年)山梨県医師会館(内藤多仲/1970年)山梨県立美術館(前川國男/1978年)など気になる建築が沢山あるので、再訪した際には追加していきたいと思います。


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