建築家 伊東忠太がデザインした東京都内のおススメ作品10選

今日は建築家・建築史家 伊東忠太氏が手掛けた東京都内のオススメ建築についてレポートしたいと思います。
伊東忠太は「建築」という言葉を日本で初めて提唱し、日本建築史を創始したともいわれる人物。
今日はそんな伊東氏の建築をたっぷりと紹介したいと思いますので、建築巡りの参考やバーチャル建築ツアーとしてお楽しみ下さい。

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1.明治神宮社殿

明治神宮_本殿

まず初めに紹介する明治神宮は1920年(大正9年)に創建された神社で、伊東忠太氏が53歳の時に竣工した建築群です。
創建当時の建築は残念ながら第二次世界大戦の戦火によって主要な建物の多くは消失してしまいましたが、1958年に角南隆氏の手によって再建されました。
様々な歴史を辿って現在の建築となった経緯はありますが、まるで何百年も前からそこにあったかのような自然かつ堂々とした美しさは一見の価値ありです。
伊東氏の作品は竣工から100年以上経っているものも多く、現在でも東京都内その姿を見ることが出来る最も古い構築物は東京大学正門(1912年)ですが、建築としてはこの明治神宮が最も古い部類に入ります。

明治神宮_南神門

伊東氏の建築の他にも公園の父とも呼ばれた本多静六氏による造園や、建築家の大江新太郎氏による宝物殿(1921年)など、数々の重要文化財など建築好き必見のスポットが満載です。

明治神宮_宝物殿
宝物殿(大江新太郎/1921年)

設計:伊東忠太(再建:角南隆)
所在地:東京都渋谷区代々木神園町1-1
アクセス:明治神宮前駅、原宿駅徒歩約10分
竣工:1920年(1958年再建)
公式HP:https://www.meijijingu.or.jp/

2.一橋大学兼松講堂(東京商科大学)

兼松講堂

続いて紹介する一橋大学(当時は前身の東京商科大学)兼松講堂は都心からは少し距離がありますが、伊東忠太の代表作ともいえる必見建築です。
田園風景によくマッチした優美なロマネスク様式の建物は、一橋大学のランドマークにもなっていますが、この兼松講堂には様々な生き物や魑魅魍魎が100体以上も隠されているのが最大の注目ポイント。
日本建築史の創設者ともいわれ、数々の重要建築を手掛けてきた伊東氏ですが、伊東氏の建築には必ずと言っていいほどこうした魑魅魍魎達が隠されているのが伊東建築の大きな見どころでもあります。
壁、窓、屋根から柱や細かい装飾まで実に見応えがある建築は、まさに伊東忠太ワールド全開といえます。

兼松講堂
兼松講堂

設計:伊東忠太
所在地:東京都国立市中2-1
アクセス:国立駅徒歩約4分
竣工:1927年
備考:登録有形文化財
第15回BELCA賞

3.大倉集古館

大倉集古館

虎ノ門ヒルズ駅からほどなく歩いたところに建つ大倉集古館は明治〜大正期に活躍した実業家大倉喜八郎氏が創設した日本で最初の私設美術館です。
初代の建物が関東大震災で倒壊てしまいましたが、二代目の建物の設計を手掛けたのが伊東忠太です。
当時の本格的な海外建築といえば西洋建築を引用した建物が大勢だった中、中国を中心に広くインドやアジア諸国のデザインを取り入れた建築は伊東氏ならではです。
現在は残っているのは一部のみですが、天井から装飾まで、細かい意匠も見どころ満載の建築となっています。

大倉集古館
大倉集古館

設計:伊東忠太
所在地:東京都港区虎ノ門2-10-3
アクセス:六本木一丁目駅徒歩約5分、神谷町駅徒歩約7分、虎ノ門ヒルズ駅徒歩約6分
竣工:1927年
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月曜、年末年始、展示替期間
入館料:大人1000円、大学生・高校生:800円、中学生以下無料
備考:登録有形文化財
公式HP:https://www.shukokan.org/

4.東京都慰霊堂

両国の国技館の裏手に建つ東京都慰霊堂は大正12年の関東大震災に際して約3万以上もの命が奪われたことに対して建てられた慰霊堂です。
伊東忠太といえば後程紹介するはインド風の意匠と和風の意匠が融合した築地本願寺を手掛けたことでも知られますが、こちらの東京都慰霊堂はバジリカ式のキリスト教会の和風の意匠が混合されていてとても不思議な建築です。
築地本願寺では外はインド風、中は和風でしたが、こちらの慰霊堂は外は和風で中はキリスト教というのも面白いです。
こちらも伊東忠太のトレードマークでもある魑魅魍魎も健在で、壁や屋根の上に様々な生き物が配置されているので、訪れた際は珍獣探しをしてみるのも面白い建築です。

設計:伊東忠太
所在地:東京都墨田区横網2-3-25
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約7分、大江戸線両国駅徒歩約6分
竣工:1930年

5.東京都復興記念館

東京都復興記念館

東京都復興記念館は東京都慰霊堂と同じ敷地に建つ展示施設で、東京都慰霊堂が竣工した翌年の1931年に完成した建築です。
2017年~2019年にかけて大きな改修が行われていましたが、2020年に改修を終えて再オープンしました。
褐色のスクラッチタイル張りの外観は東京都慰霊堂とは大きく印象が異なりますが、正面の柱上の装飾の上部に鎮座する珍獣は健在です。
大改修によって補修されたタイルや装飾によって細かい陰影が浮かび上がっていて、シンプルながら表情豊かな建築となっています。

東京都復興記念館

設計:伊東忠太+佐野利器
所在地:東京都墨田区横網2-3-25
アクセス:JR総武線両国駅徒歩約7分、大江戸線両国駅徒歩約6分
竣工:1931年

6.靖国神社

靖國神社は1869年(明治2年)に戊辰戦争・明治維新の戦没者を慰霊、顕彰するために建てられた神社ですが、靖国神社の建築にも伊東忠太氏は大きく関わっています。
まず注目なのが1932年に建てられた石鳥居です。この石鳥居は足元に鎮座する狛犬のデザインも伊東氏が手掛けていて、知る人ぞ知る隠れ伊東忠太スポットになっています。

靖国神社_石鳥居

靖国神社の中で特に注目の伊東建築は、戦没者の遺品や歴史資料を展示する遊就館です。
遊就館のすぐ近くには帝冠様式の手本的な建築ともいわれる九段会館が建っているのですが、九段会館と違ってこの遊就館は日本の伝統的な建築美と西洋の建築要素を融合させた優雅なデザインが特徴の建築。

靖国神社_遊就館

また、2002年には大幅な改修がなされて、ガラス張りの展示スペースに零戦をはじめとする様々な展示物が納められています。

靖国神社
靖国神社_神門

靖国神社には伊東氏の建築の他にも150年前の1871年に建てられた高灯籠や、1887年に建てられ、青銅製の鳥居としては日本一の大きさを誇る第二鳥居の他、数々の建築が一挙に見られる建築パワースポット。
どの建築も見応えが抜群で、独特の気品を纏った堂々たる建築を堪能できます。

設計:伊藤平左衛門(本殿)、伊東忠太+内藤太郎+柳井平八(靖国会館、遊就館)、伊東忠太(石鳥居、神門)
所在地:東京都千代田区九段北3-1-1
アクセス:九段下駅徒歩約3分
竣工:1871年(高灯籠)、1872年(本殿)、1881年(能楽堂/1903年に靖国神社に移築)、1901年(拝殿)、1931年(遊就館)、1933年(石鳥居、到着殿) 、1934年(神門、靖國会館)、1940年(大手水舎)、2019年(外苑休憩所)
公式HP:https://www.yasukuni.or.jp/


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