こんにちは。建築好きのやま菜です。
今日は東京都葛飾区の柴又で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った建築や街並みについてその見どころやおススメ建築を紹介したいと思います。
葛飾柴又といえば映画「男はつらいよ」や漫画「こち亀」などの舞台としても知られ、下町情緒あふれた街並みが特徴的なエリアですが、建築に注目して巡っても楽しい建築パワースポットでもあります。
いったいどんな建築と出会ったのか、早速見ていきたいと思います!
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・葛飾柴又を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・葛飾柴又の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・葛飾柴又の建築的な見どころや注目ポイント
1.駅を降りるとそこは昭和の面影を残すレトロワールド
葛飾区柴又へのアクセスは京成金町線の柴又駅で下車します。
電車を降りると早速、映画「男はつらいよ」の寅さんワールドが全開に広がります。
私は寅さんは観たことのない世代なのですが、「俺には、むずかしいことはよく分からないけどね、あんたが幸せになってくれりゃいいと思っているよ。」と書かれたボードには、古き良き時代昭和のほんわりとした空気を感じます。
改札内の踏切を渡って駅をでると、低層の駅舎に「柴又駅」と書かれた文字が目に入ります。
駅前は思っていたよりも静かですが、寅さん目当てに訪れたと思われるご年配の方々が毎回一定数下車してきます。比率は若干少ないですが若い人も結構いて、一人旅っぽい人やカップルも見かけます。
駅前には2017年に建てられた駅に向かう寅さんと、その寅さんを見送る妹さくらの銅像があって人気の記念撮影スポットになっていました。
改札を出たままメイン通りを進んで帝釈天参道を目指します。
駅を出て2分ほど歩いたところにはこちらの柴又観光案内所があって、観光情報がゲットできる他ちょっとしたアンテナショップにもなっています。
可愛らしい寅さんのキャラクターが目印ですので、訪れた際はぜひのぞいてみて下さい。
さらに1分ほど歩くと、「ハイカラ横丁」と書かれたお店が見えてきます。
こちらは昭和を思わせるおもちゃや駄菓子が売られていて、メディアにも度々取り上げられているちょっとした有名店です。
店内が横丁のようになっていて、まるでタイムトリップしたような空間が広がります。
2階は「柴又のおもちゃ博物館」。意外と知られていないですが、葛飾区は、有名おもちゃメーカーが数多く建つおもちゃの街でもあるのです。
おもちゃ博物館ではメーカーの協力も得ながら様々なコレクションや実際に遊ぶことのできる懐かしいゲーム機が並んでいます。
■柴又ハイカラ横丁・柴又のおもちゃ博物館
所在地:東京都葛飾区柴又7-3-12
アクセス:柴又駅から徒歩約2分
営業時間:
ハイカラ横丁10:00~18:30
おもちゃ博物館11:00~18:00
※博物館は土・日・祝日のみ開館
さらに1分ほど歩くと帝釈天参道に到着です!
2.帝釈天参道に注目!老舗ぞろいの参道が面白い
帝釈天参道にはお団子屋さんやせんべい屋、川魚料理店や民芸店など下町のイメージを継承する人情味あふれる店舗が軒を連ねています。
映画「男はつらいよ」や「こち亀」など映画や漫画の舞台になった店舗や、明治・大正時代に建てられた建築など貴重な店舗をそのまま体験することができます。
各店舗は近年建て替えが進んではいますが、かなり早い段階からガイドラインを定めて改修を行っているので、群としての下町らしさが保たれているのが特徴です。
ここからは代表的な店舗をいくつか紹介していきます。
こちらの門前とらやは「男はつらいよ」第1作目から映画ロケ地として使用され、初期には「寅さん」の実家として撮影が行われた場所としても有名です。
撮影時に使われていた建物は1887年(明治20年)築のものでしたが、約100年後の1989年に現在の建物に建て替えられています。
お土産物は名物の「草だんご」のみで、その日ついたお団子だけを出すこだわりの店舗です。
現在の建物は老朽化の為建て替えがなされたものですが、店内には歴代のポスターが飾られていたり、なかなか雰囲気があります。
この日は年末だったので、年越しの天ざるそばを頂きました。
■門前とらや
所在地:東京都葛飾区柴又7-7-5
営業時間:
平日 10:00~17:00
土日祭 9:00~17:30
座席数:
1階椅子席 36席
1階お座敷 24席
2階椅子席 70席
公式HP:http://www.toraya.info/index.html
続いて訪れたい志いは帝釈天参道でも最も古い江戸末期に建てられた木造店舗です。
もともとは「以志ゐ呉服店」という呉服店を営んでいましたが、常連さんへ出ししていた茶菓子や漬物が評判となり戦後は茶店として営業されてきました。
こだわりのくずもちやお漬物が評判で、建築だけでなく味も確かな名店として親しまれています。
■い志い
所在地:東京都葛飾区柴又7-6-20
営業時間:
平日 8:30~17:00
土日祭 8:30~17:30
公式HP:http://shibamata-ishii.net/
こちらの高木屋老舗は参道の両脇に向かい合って建つ草だんごと和菓子の老舗です。
木造瓦ぶきの2つの建物は、明治と大正時代に建てられたもので、名物の草だんごの他にくず餅などの甘味、はたまたおでんなどの食事メニューも味わえます。
■高木屋老舗
所在地:東京都葛飾区柴又7-7-4
営業時間:
お土産:9:00~17:00
喫茶:10:00~16:00
座席数:80席
公式HP:https://www.takagiya.co.jp/
帝釈天参道の店舗はどれも個性的で、かなり活気づいている印象を受けました。
草団子やどら焼きなどの名物もあり、購入した食べ物を頬張りながら参道を進みます。
サービスや味のクオリティも有名観光地の中でも群を抜いて高いので、気になったお店があれば是非中に入ってその味や空間を味わってみるのがおススメですよ!
3.柴又帝釈天が面白い!各時代の建築を堪能
参道を抜けると経栄山 題経寺 通称柴又帝釈天(しばまたたいしゃくてん)の山門が見えてきます。
柴又帝釈天は江戸時代初期の1629年(寛永6年)に創建され、現在の境内には二王門をはじめ、明治~昭和初期に建てられた建築から有名建築家の作品までが様々に点在している建築好きにはたまらないスポットともなっています。
この仁王門は1896年(明治29年)に坂田留吉棟梁によって建てられたものです。
柴又帝釈天は「彫刻の寺」とも呼ばれていますが、頭上を見上げると見事なつくり浮き彫りの装飾彫刻を見ることが出来るのも注目ポイントです。
柴又帝釈天でイチオシなのはこちらの「彫刻ギャラリー」です。
帝釈堂の内殿に当たる壁面に「法華経」の説話を題材にしたに浮き彫りの装飾彫刻が配置されていて、ガラスで室内化したギャラリーは建築・アート好き必見のスポットです。
■帝釈堂 彫刻ギャラリー
所在地:東京都葛飾区柴又7-10-3
アクセス:柴又駅徒歩約5分
営業時間:9:00~16:00
拝観料:大人¥400、小中学生¥200
柴又帝釈天でもう一つ見逃せない建築が帝釈天鳳翔会館です。
、寺務所やホール、法事などで使われる和室が入る会館は、日本を代表する建築家である菊竹清訓氏が手掛けたもの。
菊竹氏と言えば出雲大社庁の舎や江戸東京博物館の設計者として知られている大建築家です。
菊竹氏の代表作でもある自邸「スカイハウス」を思わせるようなデザインや、境内の建物がつくり出しているデザインコードをうまく受け継ぎつつ境内に溶け込むようにデザインされた建物に注目です。
この他にも境内には建築は江戸時代の後期に建築された釈迦堂や、1929年に建てられた大客殿・拝殿、1955年に建てられた大鐘楼などの古建築を存分に楽しめます。
特に大鐘楼は寅さんの映画の効果音として使われているので、寅さん好きにはたまらないスポットです。
柴又帝釈天については以下の記事で詳しくレポートしていますので、興味を持った方は是非合わせてお読みください。
詳細レポート
・柴又帝釈天がスゴい!建築好きがその魅力と見どころを徹底レポート【東京柴又】
4.隠れ名スポット山本亭に注目!
最後に訪れたのが題経寺のさらに東に2~3分ほど歩いたところにある山本亭です。
山本亭はカメラ部品メーカーである合資会社山本工場の創立者 山本栄之助氏の住居として1926年(大正15年)~1930年(昭和5年)建てられた邸宅です。
書院造の和風建築の中に当時流行していた西洋建築の要素を取り入れた和洋折衷の建造物は、文化財としても貴重な建築です。
邸宅内と庭園は入館料100円で見学することができ、アメリカの日本庭園専門誌のランキング(2016年)で3位に選ばれるなど、この建築と庭園を求めて訪れる外国人も多い柴又の隠れ人気スポットです。
こちらは当時玄関として使用されていた部分です。正面の和風な玄関の右手は鳳凰の間と呼ばれる応接室になっていて、洋風の外壁やステンドグラスの洋風建築となっているのがとてもユニークです。
■山本亭
所在地:東京都葛飾区柴又7-19-3
アクセス:柴又駅から徒歩約7分
竣工:1926年~1930年
入館料:100円
開館時間:9:00~17:00
休館日:第3火曜日、12月第3火・水・木曜
旧玄関の前に立つ長屋門は茅葺屋根の伝統的な武家屋敷のスタイルに洋風のデザインを取り入れた和洋折衷の建築です。
当時は門の内部に門番が常駐して、付き人や人力車の待機場所として使用されていました。
山本亭とほぼ同時期の昭和初期に建てれれた門の内部では、当時のままの六角形のタイルがカワイイ床やステンドグラスの窓などを見ることができ、レトロ建築好きにはたまらない建築となっています。
長屋門の正面には、映画「男はつらいよ」の世界にたっぷり浸れる寅さん記念館があります。
こちらの記念館では、実際に使用されていたセットが移設展示されていたり映画の貴重な資料や小道具が展示されていて、寅さん好きでなくても楽しめる記念館となっていました。
併設されたカフェもあるので、街歩きの途中に立ち寄って、ホッと一息つくのにおススメのスポットです。
■葛飾柴又寅さん記念館(葛飾区観光文化センター内)
所在地:東京都葛飾区柴又6-22-19
アクセス:柴又駅から徒歩約7分
開館時間:9:00~17:00
休館日:第3火曜日、12月第3火・水・木曜
入館料:
一般 500円
児童・生徒 300円
シルバー 400円
※山田洋次ミュージアムとの共通券
※山本亭とセット料金だとさらに50円引き
山本邸や寅さん記念館のすぐ東に流れる江戸川では、現存する唯一の江戸川の農民渡船である「矢切の渡し」が運航しています。
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古き良き景観と歴史の蓄積をたっぷりと堪能して、今回の街歩きも大満足のものとなりました。
建築に注目してみても見どころ満載でとっても面白い葛飾柴又。皆さんも機会があれば是非トリップしてみて下さい!
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