神戸「こども本の森神戸」本に囲まれた素敵な図書建築をレポート

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今日は兵庫県の神戸市に建つこども本の森神戸を訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・こども本の森神戸を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・こども本の森神戸の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・こども本の森神戸の建築的な見どころや注目ポイント

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1.安藤忠雄氏が神戸市に寄贈した図書施設こども本の森を訪問

今回訪れたのは、兵庫県の神戸市にある東遊園地内に2022年にオープンしたこども本の森神戸です。

こども本の森は建築家である安藤忠雄さんがこどもたちが本や空間を通して命の大切さを学び、豊かな感性と創造力を育む場を創るというコンセプトでデザインした施設です。

安藤忠雄氏といえば、このサイトでも多くの建築を紹介している著名な建築家ですが、こども本の森は安藤氏が私財を投じて計画・デザインし、市に寄贈した施設
建築を通じて次世代に受け継ぐ社会遺産をつくるとの思いでここ神戸の他にも大阪の中之島や岩手県の遠野市にも建設されています。
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こども本の森 神戸は各線の三宮駅から南方面に少し歩いた所にある東遊園地の南端に建てられています。

この東遊園地の南端には日本初の花時計といわれるこうべ花時計(少し前に神戸市庁舎の建て替えがあり、現在の場所に移設されています)があります。
こども本の森神戸はこうべ花時計を囲むような半円形の建物となっています。

安藤忠雄氏の建築といえば打ち放しコンクリートを使ったデザインと自然とを対比するような建築が特徴でもありますが、こども本の森神戸でも、花時計を中心とした自然の木々や草花と人工的で堅牢なコンクリートの建物が美しく対比されるようにデザインされています。

一見すると冷たく現代的な建築にみえますが、大きな屋根の下に縁側のような中間領域空間がつくりだされていたり、ガラスの大開口を通して花時計や神戸港の自然が借景のように建物内に飛び込んでくるデザインになっているのも面白いです。

また、長い縁側状の空間は子供が走り回ったり、広場で遊ぶ子供を見守るスペースとしても使われていて、とても面白い光景にみえました。

施設は週末と学校の長期休暇期間は原則事前の予約を優先にしたの90分間入替え制となっています。
入館料は無料なので事前に予約を行えば並ぶことなく利用できるのも子連れの親御からすれば助かるポイントにもなっています。

尚、こども本の森ではメインの対象は子供ですが、年齢に関わらず本との出会いが楽しめる施設ですので、もちろん大人だけでも利用できます。(私が訪れた時は、ほとんどが子連れの親子で数人が大人のみの利用者でした)

平日は予約状況によっては事前予約なしでの入館が可能とのこと。
訪れる際は事前に公式ホームページで施設の予約状況をチェックすることをオススメします。

2.本を通じて世界を広げる素敵な本棚空間を堪能

建物の中に入ると大きくカーブした本棚空間が広がります。

大きなコンクリートの箱は、壁一面に本が並び、反対側の壁からは明るい自然光が降り注ぐ美しい空間となっています。

建物内は「かんがえる森」「こうべの森」「おはなしの森」「くらしの森」など15のテーマに沿って本が並べられています。

壁面全体に本が連なる様が圧巻ですが、本棚は5段目より高い場所は地震対策が施された表紙のみのディスプレイとなっています。
実物の本はそのディスプレイの下の本棚に並べられていているので、文字が読めない子供でも表紙をみて「あの本、読んでみたい」と思って手にとれるようなしかけとなっています。

こども本の森では、本を通じて好奇心や創造力を育んだり、神戸をはじめとする街の歴史や文化と出会う場となることがコンセプトとなっています。

中央の空間には近年の安藤氏の建築ではおなじみの青りんごのオブジェがあります。
このオブジェはアメリカの実業家であり詩人のサミュエル・ウルマンの詩Youth(青春)をモチーフにしたオブジェです。
ウルマンはこの詩の中で「青春とは人生のある期間を指すのでなく、心のありようを指すものである」と書いています。ウルマンの詩に感銘を受けた安藤氏は、未熟で酸っぱくとも明日への希望をもつ象徴として青りんごのオブジェを自身の建築に置いています。

大阪出身で神戸の異人館街周辺をはじめ神戸には安藤氏の初期の建築作品が多く建てられています。
現在安藤氏は年齢が80歳を超えていますが、ここ神戸で未来をつくる子どもたちや若者に向けたメッセージを建築やオブジェを通して投げかけているのはなんだか感慨深く思えます。

また、大人でもこの空間から刺激を受け、本を通じて自分と向き合ったり、外に広がる世界が繋がる体験が味わえました。

一方でこの建築では、普段の大人目線では見えないしかけがデザインされているのも注目ポイントです。

例えば階段下のスペースが読書スペースになっていたり、壁の本棚の中にくぼみがあって本が読めたりと、自分なりの読書空間を見つけられるような建築となっています。

また、こちらの窓は、大人の目線でみると気づきづらいですが、子どもの目線ではふと目を向けると外の世界の景色が飛び込んでくるような位置にデザインされています。

家具の選定も素敵です。例えばこちらの椅子も同じ均質な椅子を並べるのではなく、ちょっとずつデザインが違って個性が光る椅子となっているのがこの施設の思想をよく表しているようです。

奥につくられた休憩室も見逃せません。
木質の本棚や家具と自然光の注ぐ優しい空間と対比するように、こちらの休憩室はコンクリートに囲われた荘厳な空間が広がります。

見上げると天高くから光が降り注ぐ空間では、他の空間とはまた違った読書体験ができました。

素敵な空間と本をたっぷりと堪能してこの日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもオススメのスポットですので、機会があれば皆さんも是非訪れてみてくださいね。

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こども本の森 神戸
設計:安藤忠雄建築研究所
所在地:兵庫県神戸市中央区加納町6-1-1
アクセス:三ノ宮駅・三宮駅から徒歩約13分、三宮花時計前駅から徒歩約6分
竣工:2021年
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜
備考:予約優先制
公式HP:https://kodomohonnomori-kobe.jp/


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