浅草「神谷バー」古き良き建築と料理を味わえるレストランバーをレポート

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今回は東京浅草に建つ神谷バーを訪れてきましたので、その模様をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約6000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・神谷バーを実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・神谷バーの基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・神谷バーの建築的な見どころや注目ポイント

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1. 浅草吾妻橋交差点に建つ老舗のレストランバーを訪問

今回訪れたのは、浅草駅前のランドマークともいえる神谷バーです。
神谷バーは、1880年に東京市浅草区に神谷傳兵衛が創業した「みかはや銘酒店」をルーツにした老舗のバー・レストランです。

神谷バー

神谷バーという名称は明治時代の終わりの1912年につけられた屋号で、西洋風の内装のバーとしては日本で初めてとも言われています。

神谷バー

地下鉄の浅草駅をでた吾妻橋交差点に建つ現在の建物は、1921年に建てられたもの。
大正ロマンの雰囲気を醸し出す建物は竣工から100年以上経った現在も現役で使われています。

この神谷ビルは大正時代のモダンなデザインと堅牢な造りが特徴となっていて、竣工の2年後に起こる関東大震災やその後の戦火をくぐり抜けて現在する貴重な歴史遺産でもあります。

神谷バー

外装は正面性の強い左右対称のデザインに、当時流行しつつあったアール・デコやゼセッションの影響を感じる設えとなっています。
垂直方向の伸びやかな雰囲気を柔らかくまとめている丸窓は、大正ロマンらしい自由で優雅な雰囲気を醸し出しています。
また、細かく色を使い分けたタイルの外装は、遠目ではシンプルに見えますが、近づいてみると豊かな表情をみせてくれます。

建物の設計を手掛けた清水組は現在の清水建設。清水組はこの近辺では旧松屋デパート(設計:久野節)をはじめとするいくつかの建物の施工も手掛けていますが、設計・施工で建てられた神谷バーが現在も残されているのというのはかなり貴重です。

現在の神谷バーは、1階がビアホールのようなスタイルの神谷バー、2階がグループ利用に向いたレストランカミヤとなっています。

今回は友人達とグループで訪れたので、予約のできる2階のレストランカミヤでランチタイム。
建物入り口脇の外部階段から2階に上がります。

外からは分かりづらいですが、手すりや窓枠の装飾にもこだわりが感じられ、端正だけれど細部まで美しくデザインされていました。
階段の吹き抜けはコンパクトな空間ですが天から降り注ぐ光や間接照明による影の表情がとても印象的でした。

光あふれる階段を、ちょっとドキドキしながら上がって店内へと足を進みます。

神谷バー

2.素敵な料理と建築に酔いしれるとっておきの建築体験

店内は焦茶の木質材と白い壁や天井のコントラストが鮮やかな空間となっていて、想像していたよりも綺麗なことに驚きました。

神谷バー

素朴で大衆的な雰囲気を残しながらも、清潔でシンプルな内装がとても魅力的です。
天井の低さと少ない開口できっちり固められた外装は昔ながらの建物といった形ですが、それ以外の部分に関しては100年前の建物とは思えないほど綺麗な店内となっていました。

この日は開店直後に予約していったのではじめはお客さんはまだほとんどいませんでしたが、程なくしてお昼にあると店内はかなり賑わっていました。
私が訪れた時は外国人の観光客に加えて、日本人の夫婦やグループ客が意外にも多かったのが印象的でした。

レストランカミヤではおつまみから魚料理、肉料理、盛り合わせなど様々な料理が味わえますが、今回頂いたのは9種類のおつまみがセットになったワンプレートメニューです。

神谷バー

マカロニグラタン、ジャーマンポテト、ソーセージ、コロッケなど昔ながらの定番おつまみを一挙に味わうことができる絶品の一品です。

神谷バー

そんなおつまみと一緒にいただくのが、創業者の神谷傳兵衛が考案したカクテル「電気ブラン」です。
多くの小説やエッセイにも登場する有名なカクテルは、度数は少し高めですが、神谷バーにきたからには是非とも味わいたいドリンクです。

メニューは他にもこちらのカレーやハンバーグ、ポークカツなど定番料理が揃えられているので、何度来ても楽しめます。
老舗のレストランというとつい身構えてしまいますが、メニューは1000円弱のものから高くても1000円台と良心的で、広く大衆に開かれた洋食店となっていたのも素敵でした。

デザートにいただいたのはレトロな洋食店やカフェでは定番となっているプリンアラモードです。

神谷バー

ガラスの平皿に大きなアイスが2つのったプリンアラモードは、素朴でありながら一口食べれば思わず笑顔になる幸せな味わいでした。

受け継がれた空間とメニューをたっぷりと堪能して、この日の建築巡りも大満足なものとなりました。
歴史ある建築と食事を一挙に楽しめる浅草のイチオシスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみてくださいね。

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神谷バー
設計:清水組
所在地:東京都台東区浅草1-1-1
アクセス:浅草駅より徒歩約1分
竣工:1921年
営業時間:11:00~20:00
定休日:第二月曜、火曜
備考:国登録有形文化財
公式HP:http://www.kamiya-bar.com/


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