今日は東京都新宿区の信濃町駅周辺エリアで建築巡りをしてきましたので、そこで出会った名建築をレポートしたいと思います。
【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今までに約5000件の建築を巡った建築トリッパー
・今日も素敵建築を求めて東奔西走
【この記事で分かること】
・信濃町周辺エリアでの建築巡りを写真と文字でレポート
・信濃町周辺エリアの著名な建築家がデザインした建築や歴史のある近代建築をまとめ
・信濃町周辺エリアの建築の見どころや注目ポイントを解説
1.JR信濃町ビル
まずはじめに紹介するJR信濃町ビルは、地上6階地下2階建ての信濃町駅の駅ビルです。
建物のデザインは最高裁判所や警視庁本部庁舎などの建築を手掛けたことでも知られる岡田新一氏で、1990年代らしさを感じる建物の構成や、彫刻のような巧みなガラスのデザインなどが特徴の建物となっています。
周辺の建物と比べてもかなり大きなヴォリュームなのですが、存在感を保ちつつも風景に溶け込んでいたのが印象的でした。
設計:岡田新一設計事務所+JR東日本建築設計
所在地:東京都新宿区信濃町34
アクセス:信濃町駅より徒歩約1分
竣工:1993年
2.信濃町煉瓦館
信濃町煉瓦館は、信濃町駅前に建つ地上6階建地下1階建てのオフィスビルです。
121mの巨大な間口に対して道路側にエレベーターなどのコアを集約し、直径24mの巨大な円形ヴォイドがオフィスに光を導く大胆な造形が特徴の建築です。
煉瓦の素材感と共に、90年台のハイテック建築を思わせる金属質の部材が駆け巡るデザインも迫力があります。
煉瓦という素材の違った一面を、高度な技術力と発想力でまとめ上げた信濃町のランドマークです。
設計:清水建設
所在地:東京都新宿区信濃町35-35
アクセス:信濃町駅より徒歩約1分
竣工:1995年
3.日本基督教団信濃町教会
日本基督教団信濃町教会は、信濃町煉瓦館から外苑東通りを挟んだ向かいの角地に建つ教会です。
内井昭蔵といえば多くの教会建築を手掛けた建築家としても知られますが、シンプルな造形の中に普遍性と親しみやすさが両立しているのが素敵です。
道路からは僅かに奥にある礼拝堂のドームが見える他、開口部などにみられる抽象化した宗教的モチーフも味わい深いです。
設計:内井昭蔵+内井建築設計事務所
所在地:東京都新宿区信濃町30
アクセス:信濃町駅より徒歩約3分
竣工:2004年
4.慶應義塾大学 医学部予防医学教室
慶應義塾大学 医学部予防医学教室は、信濃町駅北西の慶應義塾大学キャンパス内に建つ予防医学の校舎です。
設計は慶應義塾大学の校舎を多く手掛けた曽禰中條建築事務所で、細部まで拘ったアールデコ調のデザインをたっぷりと堪能できます。
外観はかなり古く見えますが、まだまだ 現役で使われているようで、キャンパス裏手の路地を通るとタイムスリップしたような不思議な感覚になります。
設計:曽禰中條建築事務所
所在地:東京都新宿区信濃町35
アクセス:信濃町駅より徒歩約5分
竣工:1929年
5.慶應義塾大学 北里記念医学図書館(信濃町メディアセンター)
医学部予防医学教室のすぐ近くに建つ慶應義塾大学 北里記念医学図書館は、慶應義塾大学医学部初代医学部長であった北里柴三郎氏の名を冠して建てられた図書館です。
こちらは医学部予防医学教室より8年後の1937年に建てられましたが、雰囲気は大きく変わってエントランスの3連アーチを中心としたルネサンス調の建築となっています。
こちらもメディアセンターの機能等を付加しながらも現役の図書館として使われていて、信濃町を代表作する近代建築の一つとなっています。
設計:和田順顕
所在地:東京都新宿区信濃町35
アクセス:信濃町駅より徒歩約5分
竣工:1937年
6.一行院 千日谷浄苑
一行院 千日谷浄苑は、信濃町駅からすぐの場所に建つ納骨堂です。
JRの線路、首都高速道路の高架と千日坂と呼ばれる細い坂道に挟まれた敷地に建つ納骨堂は、大部分を地下に納めていて地上部には木調の外装と深い出の屋根が静かに佇むデザインとなっています。
地下には4000以上の骨壷が収納され、自動搬送式により12の参拝口に運ばれてくる成人式の納骨堂となっています。
厳かで伝統を感じる外観ですが、数mもの長さで張り出した屋根や、陰影豊かなな瓦など、現代建築としての魅力的なデザインにも注目です。
デザイン監修:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
設計:竹中工務店+朱雀都市建築研究所
所在地:新宿区南元町19-2
アクセス:信濃町駅より徒歩約3分
竣工:2017年
7.聖徳記念絵画館
続いて紹介する聖徳記念絵画館は、信濃町駅南側の明治神宮外苑に建つ美術館です。
径約15mのドームを持つ中央部から左右対称の両翼が広がる外観が特徴で、設計は大蔵省の小林正紹の案を元に佐野利器、高橋貞太郎、小林政一といった当時の日本の名だたる建築家が携わっています。
直線的で重厚感のあるデザインからは建築の持つ普遍性を感じますが、前面の水面や周辺の自然とのコントラストも鮮やかで、思わずため息がでてしまうような圧巻の建築でした。
設計:小林正紹+佐野利器+高橋貞太郎+小林政一
所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町1-1
アクセス:信濃町駅より徒歩約5分
竣工:1926年
開館時間:10:00~16:30
入館料(施設維持協力金):500円
備考:重要文化財
8.明治記念館
明治記念館は、元々は赤坂仮皇居内に明治天皇の迎賓施設である御会食所として建てられ、1918年に現在の場所に移築されました。
設計を手掛けた木子清敬は、宮内省で皇室関係の様々な建築を手掛けた他、帝国大学工科大学造家学科(現在の東京大学工学部建築学科)で初めて日本建築の授業を受けもった人物でもあります。そんな木子清敬によるデザインが当時の姿のまま残る明治記念は、歴史の証人のような建築でもあります。
2019年には大規模な復元・改修もなされていて、様々な歴史資料や図面を元にした復元と共に、それらを受け継ぐ現代の施設として必要な改修デザインが施されました。
設計:木子清敬(本館)
改修設計:清水建設
所在地:東京都港区元赤坂2-2-23
アクセス:信濃町駅より徒歩約5分
竣工:1881年、1918年移築
備考:第31回BELCA賞
東京都指定有形文化財
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