白山「小石川植物園」豊かな自然と貴重な建築が共存する植物園をレポート

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今回は東京都文京区にある小石川植物園で建築巡りをしてきましたので、そこで出会った建築をレポートしたいと思います。

【自己紹介】
・建築好きのやま菜と申します。
・今日も素敵建築を求めて東奔西走

【この記事で分かること】
・小石川植物園を実際に訪れたレポートを写真と文字で解説
・小石川植物園の基本情報やアクセス方法、訪れる際のポイント
・小石川植物園の建築的な見どころや注目ポイント

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1.江戸時代から続く植物園で建築さんぽ

今回訪れた小石川植物園は、江戸幕府によってつくられた小石川御薬園をルーツとする日本最古の植物園です。
現在は東京大学大学院理学系研究科附属植物園として一般にも開放されています。

敷地内には貴重な植物や記念碑的なスポットがいくつも点在していますが、見ごたえのある貴重なた建物がいくつも残されています。

広大な敷地の小石川植物園ですが、入口は南東側の正門ひとつとなっているので、注意が必要です。
白山駅からは、駅から南下して、御殿坂を下った先に正門が見えてきます。
入園料は500円となっていて、正門横のカウンターでチケットを購入します。

まずはじめに訪れたのは、エントラスの門をくぐって程なく歩くと見えてくる本館です。
昭和初期の1939年に建てられた本館は、安田講堂をはじめ多くの東京大学の建築を手掛けた内田祥三氏によるもの。

小石川植物園

約80万点の植物標本が収められた建物は、内田氏の作品には珍しいモダニズムらしい端正なデザインの建物となっています。

大きな高低差がある敷地に建つ建物は、螺旋状に上がってくる前面道路と建物のアールかかった外壁がリンクするような造形となっています。
坂からの大きなカーブを描く視線の上昇は、最終的には両翼を広げる建物の中央の階段室に終結するのも実に巧みにデザインされています。

また、豊かな小石川植物園の自然の中にある建築だからこそ、無骨なデザインがより引き立っているのも注目ポイントです。

多様で動きのある環境の中で、シンプルなデザインの本館が持つ普遍性や「変わらなさ」がより強く印象に残るのは、とても面白いです。

2.貴重な建築と植物をたっぷりと堪能

続いて訪れたのは、敷地の北側に建つ柴田記念館(旧東京帝国大学理学部植物生理化学実験室)です。

小石川植物園

柴田記念館は、東京大学植物学教室の柴田桂太教授の寄付によって1919年に建てられた記念館です。

小さな建物をさらに分割して、異なる方向にかかる屋根かとても印象的で、小さな建物ですが植物園の樹木によく馴染んでいます。

こちらの建物は資料館やミュージアムショップとして整備されているので、内部もじっくりと堪能することができます。

小石川植物園

柴田記念館の近くには、万有引力の法則を発見したニュートンの生家にあったリンゴの木の接ぎ木や、遺伝学の基礎を築いたメンデルが実験に用いたブドウの分株なども見ることができます。

また、奥にみえるのは熱帯・亜熱帯地域を中心に約2000種の植物を展示する温室です。
こちらは久米設計によって2019年に建てられたもの。

温室は、地域や生育環境ごとに6室に分かれていて、これぞれの地域を横断しながら巡れるのが面白かったです。

温室は近年新しくなりましたが、前庭には明治期の姿をとどめた噴水池と、旧温室の煉瓦基礎のボイラー室竈やアーチが残されています。

広大な敷地内には、実際の植物をみて、植物の分類体系が分かる約500種の植物が植えられた分類標本園や、徳川幕府の薬園時代から受け継がれる薬用に用いられた樹木が植えられた薬園保存園などを見ることができます。
まさに生きた植物の教科書です。

他にも園内には長い歴史の中で受け継がれてきた膨大な数の植物や、歴史的な発見に由来する記念樹などをみることができます。

最後に訪れたのは、敷地の西端に建つ東京大学総合研究博物館小石川分室(旧東京医学校)です。

小石川植物園

こちらの建物は、元々は東京大学の前身である東京医学校の施設として1876年に建てられた建物です。
1911年に移築された際に大きな減築や改修がされた後、1965年に一度解体されてしまいますが、1969年にここ小石川植物園内に再建されました。

やや不遇な歴史を辿り、小石川植物園の端っこに佇む建物は、国の重要文化財にも指定されている貴重な建物です。

明治のはじめにつくられた建物は、当時の木造擬洋風建築の特徴をよく表していて、日本庭園越しにみる鮮やかなコントラストがとても印象的でした。

小石川植物園

素敵な植物園と建築をたっぷりと堪能し、この日の建築巡りも大満足のものとなりました。
とてもおススメのスポットですので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

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小石川植物園
設計:工部省営繕局(東京大学総合研究博物館小石川分館)、東京帝国大学営繕課(柴田記念館)、内田祥三(本館)、久米設計(温室)
所在地:東京都文京区白山3-7-1
アクセス:白山駅より徒歩約10分
竣工:1876年(東京大学総合研究博物館小石川分館/1969年再建)、1919年(柴田記念館)、1939年(本館)、2019年(温室)
備考:重要文化財(東京大学総合研究博物館小石川分館)
公式HP:https://koishikawa-bg.jp/


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