建築家 隈研吾がデザインした東京都内のおススメ作品40選

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14.GINZA KABUKIZA 歌舞伎座・歌舞伎座タワー

歌舞伎座

GINZA KABUKIZA 歌舞伎座・歌舞伎座タワーは、1924年に建てられた歌舞伎座の建替えプロジェクトです。
低層部の歌舞伎座は1924年の岡田信一郎氏のデザイン(1950年に吉田五十八が同デザインを元に再建)を踏襲し、29階建てのオフィスビルが上部に積み重ねられています。

前建築を引き立てるような縦強調のシンプルなオフィス部分は、さり気なく歌舞伎座の屋根や垂木といった部材と連続するようにデザインされているのも注目ポイントです。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所+三菱地所設計
所在地:東京都中央区銀座4-12-15
アクセス:東銀座駅より徒歩約1分、銀座駅より徒歩約5分
施工:2013年
備考:第55回BCS賞
公式HP:https://www.kabuki-za.co.jp/

ちなみに歌舞伎座近辺には他にも隈研吾氏の手掛けた注目建築がいくつもあります。
■ADK松竹スクエア

歌舞伎座から築地方面に少し歩いたところに建つADK松竹スクエアは、歌舞伎座と同じく三菱地所設計との共同設計による作品。

ADK松竹スクエア

都市空間を建築化したような木製の大階段の他、一見してガラスのオフィスビルに見えますがどこか儚さと繊細さを感じる立面デザインなど、現代的な建物の中に日本建築のエッセンスを感じるのが面白い建築です。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所+三菱地所設計
所在地:東京都中央区築地1-13-5
アクセス:築地駅より徒歩約2分
竣工:2002年

■築地KYビル
こちらの築地KYビルは、1980年代に建てられた建物の改修プロジェクト。

交差点に面した立地を利用して、壁面に木目調の細かいアルミパネルを並べた立面は、建築好きが見ればすぐに隈研吾氏を連想してしまうほど特徴的なデザイン。

部材を細かく分節することでスケール感を落としつつ、賑わいを演出しているのも隈研吾氏らしく、夜には行灯のような光で築地の街を照らしています。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都中央区築地4-7-5
アクセス:築地駅より徒歩約3分
竣工:1988年(2016年改修)

15.サニーヒルズ南青山

サニーヒルズ南青山は、南青山の住宅地の中に建つ地上3階のパイナップルケーキ店です。
表参道では先ほど紹介したONE表参道がこの建築の10年前に建てられた唯一の隈研吾作品なのですが、何といっても気になるのが一度見たら忘れられない大胆な外観です。
隈研吾氏は木や自然素材をふんだんに使った建築を数多く生み出していましたが、都内でここまで派手な建築は他にはありません。

日本の木造建築に伝わる「地獄組み」という組み方を使いながら森のような、雲のような強くて柔らかい建築がつくりだされていて、一面にガラスやコンクリートを使った商業建築とは違った可能性を模索した、新たな時代への突入を感じさせる建築でした。

詳細記事
・青山「サニーヒルズ南青山」圧巻の木組みのパイナップルケーキ店をレポート

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区南青山3-10-20
アクセス:表参道駅より徒歩約10分
竣工:2013年
公式HP:https://www.sunnyhills.com.tw/index/ja-jp/

16.la kagū

la kagū(ラカグ)は神楽坂駅の南口すぐのところにある商業施設です。
元々は1969年に建てられた新潮社の倉庫でしたが、隈研吾氏の手によって改修がなされ、街に開いた新たな商業施設として生まれ変わりました。
残念ながらla kagūは2019年に一度閉店してしまいましたが、隈研吾氏のデザインをそのままに食品・雑貨を扱う「AKOMEYA TOKYO」の旗艦店として再オープンがなされました。
倉庫の構造体を上手く活かした大空間、地形のようなウッドデッキの大階段を追加することで街と連続する美しい建築に再生されていて、今や神楽坂のランドマークとなっています。

先日2階に入るAKOMEYA食堂でランチをしてきましたが、こだわりのお米と、お米との相性がばっちりなおかずの組み合わせが素敵過ぎる食堂でした。
一時閉店した時には、この先どうなってしまうのだろうと心配しましたが、素敵なお店に受け継がれて本当によかったです。

AKOMEYA食堂
鰺と帆立のフライ定食(1600円)

先ほど紹介した赤城神社・パークコート神楽坂、都住創ラスティックビルと併せて、神楽坂を訪れた際には是非訪れたい建築です。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都新宿区矢来町67
アクセス:神楽坂駅より徒歩約2分
竣工:2014年(改修)
備考:2015年度グッドデザイン賞

17.てっちゃん/アヒル

てっちゃん/アヒルは吉祥寺駅前のハモニカ横丁につくられた飲食店です。
隈研吾氏はこのてっちゃんの改装に当たって、ただノスタルジックなデザインに回帰して酔っ払いながら「昔はよかったなぁ」と言い合うようにはしたくないと考えたそうです。
コストを抑えながら、周辺との関係も含めた路地らしさの追求や、廃材を組み入れた新しい素材にチャレンジしている店舗はかなりユニークです。

モコモコしたアクリル廃材が内側から内側から照らされていて、美しくも妖しげな光を放っています。
使われているのが廃材であることもあって、人によって完璧にデザイン・制作された家具にはない、予測不可能な形がとっても魅力的な店舗となっています。

隈研吾氏というと、和を感じさせるスマートでアイコニックなデザインのイメージが強いですが、私は隈研吾氏のこういった庶民的で猥雑なデザインのほうが好きですね。
詳細記事
・吉祥寺のてっちゃんがスゴい!隈研吾氏がデザインした話題の店舗をレポート【東京吉祥寺】

改修設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-2
アクセス:吉祥寺駅より徒歩約1分
竣工:2014年(改修)
営業時間:
 月曜~金曜 15:00~23:00
 土曜・日曜 12:00~23:00

ちなみにてっちゃんは吉祥寺以外でも、こちらの下北沢のヤキトリてっちゃん talking GORILLAのデザインも隈研吾氏が手掛けています。

talking GORILLA下北沢駅直結の商業施設シモキタエキウエの一角にできた飲食店で、カラフルなアルファベットの文字が散りばめられた空間は、まるで昔からあったような雰囲気を醸し出していて様々なインスピレーションを喚起させてくれます。

名物料理のランチメニューポヨチキンランチ(600円)はローズマリーと鶏肉の香ばしい匂いに食欲が刺激される絶品メニュー。
ボリュームも結構あって、600円という価格も魅力的なので、下北沢駅を訪れたさには是非味わってもらいたい一品です。
詳細記事
・ヤキトリてっちゃんがスゴい!隈研吾氏デザインの下北駅上店舗をレポート【東京下北沢】

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都世田谷区北沢2-24-2 シモキタエキウエ 2F
アクセス:下北沢駅より徒歩約1分
竣工:2019年

また、ハモニカ横丁では三鷹駅から徒歩数分のところにあるハモニカ横丁ミタカの改修デザインも隈研吾氏が手掛けています。

ハモニカ横丁ミタカは、古くからある路地感と戦後の闇市のような雑多でエネルギッシュなイメージが合わさった不思議な建築です。
隈研吾氏といえば木を使った日本的な建築のイメージがありますが、この建築で目に入ってくるのは車輪車輪車輪。
これは施主が廃材が好きということと、予算を抑えるということからこのようなデザインとなりました。

奇抜な外観とは裏腹に、内部は路地裏で肩を寄せ合い様々な人が集うハーモニカ横丁の雰囲気を継承しています。
まるで映画「ブレードランナー」に出てくる建築のように、古いのだけれど近未来的でエネルギーに満ちた建築がとっても魅力的でした。
詳細記事
・ハモニカ横丁ミタカは隈研吾デザインの隠れ名建築だった【東京三鷹】

改修設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都武蔵野市中町1-5-8
アクセス:三鷹駅より徒歩約2分
竣工:2017年(改修)

18.としまエコミューゼタウン

続いて紹介するとしまエコミューゼタウンは低層部を豊島区役所を中心とした都市・行政機能、高層部を集合住宅とした高層複合施設です。
隈研吾氏は主に外観と一部内観のデザイン監修し、日本初となる区役所の上に集合住宅をつくるという大胆な構想は大きな話題となりました。

地上49階の建物は11階から上が集合住宅「ブリリアタワー池袋」となっていて、交通や行政、商業や文化施設などに抜群のアクセスを誇る超都市型住宅となっています。
パネルが集積した外観デザインは、実際に近づいていくとその迫力に圧倒されます。まるで木々が集まって森になるように、遠くからは巨大な存在感、近くでは不思議な抜け感も感じることができる建築です。

外観・一部内観デザイン監修:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
建築:日本設計
所在地:東京都豊島区南池袋2-45-4
アクセス:池袋駅より徒歩約15分、東池袋駅より徒歩約3分
竣工:2015年
備考:第58回BCS賞

19.JR高尾山口駅

年間の登山者数世界一を誇る高尾山ですが、最寄り駅となる高尾山口駅は2015年に隈研吾氏の手によってリニューアルされました。
高尾山口駅から外側に向かって開くように広がる屋根は、高尾山へ向かう人々の気持ちを高揚させつつワクワク感を演出していて、建築と大自然との間にあるようなスケールとなっています。

ホームから地中に入っていくような構内デザインや、利用者に寄り添った細かい配慮が随所に見られるトイレや家具など、駅建築の見本例のような作品となっています。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都八王子市高尾町
竣工:1967年(2015年改修)
備考:2016年度グッドデザイン賞

20.PIGMENT TOKYO

PIGMENT TOKYO

PIGMENT TOKYOは、天王洲アイル駅からすぐの場所に建つ約4000色の顔料や画材を扱う店舗兼ミュージアムで、3Dデザインされた竹材が立体的な曲面を描きながら建物内外に広がるデザインが特徴です。
既存のコンクリートの建物と対比するような自由な曲面とやわらかな竹の表情がとても印象的で、店内は顔料や画材の他にも様々な道具が展示されています。
私が訪れたときには、奥の大テーブルで子供向けのワークショップも行われていて、天王洲アイルの新たなアートの発信拠点にもなっていました。

PIGMENT TOKYO
PIGMENT TOKYO

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都品川区東品川2-5-5 HarborOneビル1階
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約3分
竣工:2015年(改修)
公式HP:https://pigment.tokyo/

■T-LOTUS M
ちなみに天王洲運河のデッキを散策していると見えてくるT-LOTUS Mもデザイン監修を隈研吾氏が手掛けています。

日本では珍しい船上につくられたレストラン・イベントスペースは、軽やかな帆に水面の光が反射して刻々と表情を変えていて、天王洲アイルの新たなランドマークにもなっています。

監修:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都品川区東品川2-1
アクセス:天王洲アイル駅より徒歩約6分
オープン:2020年

21.AD-O渋谷道玄坂

AD-O渋谷道玄坂ビルは渋谷の道玄坂沿いに建つ地上11階地下1階のオフィスビルです。
木目印刷をしたアルミ板が微妙に角度をつけながら配置されていて、軽やかでどこか建物の息遣いのようなものが感じられます。
一目見ただけで隈研吾事務所の作品だとわかるのは流石のアイコン性。
建築は一度建てられてしまうと基本的なは変わることのないものですが、手前の並木道と呼応しながら変化しているようにも見えるのがなんとも不思議で魅力的な建築です。

ちなみに内部はレンタルスペースやブース状のレンタルルームもあり、細部までこだわった内装をじっくりと観察することができます。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所+松田平田設計
所在地:東京都渋谷区道玄坂1-22-9
アクセス:渋谷駅より徒歩約6分
竣工:2017年
備考:2018年度グッドデザイン賞

22.一行院 千日谷浄苑

一行院 千日谷浄苑

一行院 千日谷浄苑は、信濃町駅からすぐの場所に建つ納骨堂です。
JRの線路、首都高速道路の高架と千日坂と呼ばれる細い坂道に挟まれた敷地に建つ納骨堂は、大部分を地下に納めていて地上部には木調の外装と深い出の屋根が静かに佇むデザインとなっています。
地下には4000以上の骨壷が収納され、自動搬送式により12の参拝口に運ばれてくる最新式の納骨堂となっています。
厳かで伝統を感じる外観ですが、数mもの長さで張り出した屋根や、陰影豊かなな瓦など現代建築としての魅力的なデザインにも注目です。

一行院 千日谷浄苑
一行院 千日谷浄苑

デザイン監修:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
設計:竹中工務店+朱雀都市建築研究所
所在地:東京都新宿区南元町19-2
アクセス:信濃町駅より徒歩約2分
竣工:2017年

23.瑞聖寺 庫裡

瑞聖寺

瑞聖寺(ずいしょうじ)は、江戸時代初期の1670年に創建された黄檗宗の寺院です。
境内の中心となる大雄宝殿は、日本に現存するこの時代の中国寺院として貴重な建築ですが、2018年に隈研吾建築都市設計事務所により庫裡が建て替えられました。
水庭を中心としたコの字の配置の新たな建物は、深い軒が重力から開放されたように伸びて荘厳な雰囲気を纏っています。
ボリューム感のある大雄宝殿と、水平に佇む庫裡の美しい対比も注目ポイントです。

瑞聖寺
瑞聖寺

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都港区白金台3-21-19
アクセス:白金台駅より徒歩約3分
竣工:2018年

24.120×120の森

120×120の森

120×120の森(木格子の家)は、隈研吾氏が日本ハウスHDの為にデザインし、世田谷区用賀の住宅展示場に建てられたモデルハウスです。
120mm×120mmの断面サイズの水平材とその間に挟まれたピースによって構成される建物は、木の持つポテンシャルを引き出しシンプルでありながら多様性も併せ持つ建物としてデザインされています。
木という馴染み深い素材を全面に使った建物は、ハウスメーカーの建物が建ち並ぶ住宅展示場においてかなり目立っていたのが面白かったです。

120×120の森
120×120の森

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都世田谷区瀬田5-20
アクセス:用賀駅より徒歩約10分
竣工:2018年

25.日本橋三越本店

日本橋三越本店は大正時代の1914年に三越呉服店として建てられたルネッサンス様式の建築で、建設当時は「スエズ運河以東最大の建築」とも評された建物です。
建設当初の建物は関東大震災で一部が焼失しましたが1935年に大規模な改修が行われて、現在の姿になりました。

歴史ある建物ですが、2018年にこちらの1階の内装デザイン改修を手掛けたのが隈研吾氏。
白く輝く森をテーマに立体感溢れる新たなデザインが施されていて、時代の先陣を切る精神が受け継がれているのを感じます。
これまで多用してきた木色から、スタイリッシュで抽象的な白のイメージに変容したデザインは、化粧品売り場のイメージだけでなく近未来的なデジタルデザインとピッタリ合っていています。

設計:横河工務所
1階内装改修設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所
所在地:東京都中央区日本橋室町1-4-1
アクセス:日本橋駅より徒歩約4分、新日本橋駅より徒歩約1分
竣工:1914年(2018年改修)
備考:第14回BELCA賞
重要文化財
公式HP:https://www.mistore.jp/store/nihombashi.html

■茅乃舎日本橋店

ちなみに日本橋と言えば、日本橋三越本店の目の前に建つコレド室町3の1階に入る老舗醤油メーカー茅乃舎日本橋店も隈研吾氏の作品。
天井にぶら下がる木樽をはじめ、今まで体験したことのないような独特の木質空間を楽しめます。
こちらも訪れた際には是非一緒に見てみることをおススメします。

設計:團紀彦建築設計事務所+日本設計
一部内装設計(茅乃舎日本橋店:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所)
所在地:東京都中央区日本橋室町1-5
アクセス:日本橋駅より徒歩約5分、新日本橋駅より徒歩約2分
竣工:2014年
公式HP:https://mitsui-shopping-park.com/urban/muromachi/

26.パークコート赤坂檜町ザ・タワー

パークコート赤坂檜町ザ・タワーは乃木坂駅・六本木駅から程なくの所に建つ地上44階、高さ約166mの超高層マンション。
檜をコンセプトに、巨大の樹木の幹をイメージしてデザインされたというタワーマンションは、低層部から中間部では垂直に伸びる木調のフィンが細かい陰影をつくり出し、上層部では市松状のテラスが抽象的な樹木のイメージを想起させるデザインとなっています。
正に赤坂の大地から延びる巨大な幹のような建築は、個性的な建築や巨大建築プロジェクトが数多く乱立する赤坂・六本木エリアでもひと際存在感を発揮しています。

設計:隈研吾/隈研吾建築都市設計事務所+日建設計
所在地:東京都港区赤坂9-4-1
アクセス:乃木坂駅より徒歩約3分
竣工:2018年
備考:2018年度グッドデザイン賞

次ページからは2019年以降の建築を紹介します

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