戦後も注目の名建築がひしめく宇都宮を徹底レポート(後編)【栃木県宇都宮】

建築巡りまとめ

この記事は前回の記事の続きとして、栃木県宇都宮駅周辺のおススメ名建築にして紹介していきます。
前回記事を読んでない方は是非前回の記事から音で貰えるとうれしいです。では後半を早速見ていきましょう!

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10.栃木会館(柴岡亥佐雄)※現存せず

栃木会館は栃木県生の目の前にあるコンサートホールやギャラリー、オフィスビルの複合施設です。
戦後モダニズムの庁舎建築らしく、明快な構成や大きなピロティや造形的な庇などが味わい深い建築です。
エントランスのモザイクタイルをはじめ色彩も上品でかなり好みの建築です。
残念ながら2019年に解体されていて2020年に再訪した時は更地になっていました。

設計:柴岡亥佐雄
所在地:栃木県宇都宮市塙田町357番地
アクセス:東武宇都宮駅徒歩7分
竣工:1955年(旧館)、1963年(新館)

11.栃木県議会庁舎(大高正人)※現存せず

栃木県議会庁舎は建築家 大高正人氏による戦後モダニズム建築の傑作ともいえる庁舎建築です。
日本の建築史の中で初めて世界に影響を与えたといわれる「メタボリズム運動」を代表する建築でもあり、メインの十字柱と梁からなる構造体のフレームの中に、変化可能なサブフレームが取り付く構成はメタボリズム(新陳代謝)の思想を見事に体現しています。
当時珍しかったプレキャスト・コンクリート(工業で予めつくっておいたコンクリート)を使って、組換え可能な日本の木造建築のような建築を提案しているのも衝撃的だったと思います。当時の建築家たちは世界の建築史が書き変わっていくことを実感していたのではないでしょうか。
残念ながら老朽化や運用上の問題から解体が決定され、現在は広場になっています。

設計:大高正人
所在地:栃木県宇都宮市塙田町1-1-20
アクセス:東武宇都宮駅徒歩10分
竣工:1969年

12.栃木県立図書館(栃木県立図書館設計研究会)

栃木県立図書館は栃木県庁の東側の八幡山に続く傾斜地に建てられた図書館です。
白い外観にボリュームが立体的に積み重ねられていて、山の木々によくマッチしています。
開口部や庇も実に造形的で、中にある本への光の影響と室内環境を考慮しつつ魅力的な外観をつくりだしています。
街装飾が真っ白なだけにこのでっ込み引っ込みによる壁の陰影はとても印象的でした。

設計:栃木県立図書館設計研究会
所在地:栃木県宇都宮市塙田1-3-23
アクセス:東武宇都宮駅徒歩15分
竣工:1971年

13.栃木県美術館(川崎清+建築研究協会)

栃木県美術館は宇都宮駅からしばらく歩いたところにある美術館で、当時としては珍しかった近現代美術館として建築されました。
設計を行った川崎清氏といえば大阪万博の日本万国博美術館など美術館建築設計でも知られています。
開かれた美術館をテーマに、ガラスやコンクリートでつくられた美術館の中に敷地や周辺環境と繋がる仕掛けがいくつも見られて、気持ちのいい美術館になっています。

設計:川崎清+建築研究協会(1期)、環境建築研究所(2期)
所在地:栃木県宇都宮市桜4-2-7
アクセス:東武宇都宮駅徒歩30分、バス5分
竣工:1972年(1期)、1981年(2期)

14.栃木県自治研修所(菊竹清訓)

栃木県自治研修所は現在は研修館と名前を変える県の研修施設です。
設計は菊竹清訓氏が行っていて、今は取り壊されてしまった大高正人氏の栃木県議会庁舎と総合文化センターと合わせて宇都宮の3大建築パワースポットでもありました。
北側のエントランス側はかなりのっぺりした外観なのですが、湾曲する大庇がとても際立って見えます。
外部がのっぺりしている分、中に入ると吹き抜けや南面の開口からの豊かな光や空間の広がりが際立つようになっています。高低差のかなりある敷地に建てられているので、裏手に回るとエントランス部分が地上に出てきたごく一部であったことに驚きます。

設計:菊竹清訓
所在地:栃木県宇都宮市塙田町1-1
アクセス:東武宇都宮駅徒歩12分
竣工:1979年

15.栃木県総合文化センター(前川建築設計事務所+MIDO同人)

栃木県総合文化センターは宇都宮市役所跡地につくられたホール、ギャラリー、会議室などからなる複合文化施設です。
列柱で囲まれたエントランスの外部空間は圧巻で引き込まれるように建物のほうに吸い込まれる感覚を覚えます。
権威性をなくしたエントランスや自然の延長線上につくられた公共空間は、東京文化会館などで実践してきた前川建築の集大成ともいえる建築です。前川國男の遺作ともいえる建築なので、建築好きは必見です。

設計:前川建築設計事務所+MIDO同人
所在地:栃木県宇都宮市本町1-1
アクセス:東武宇都宮駅徒歩7分
竣工:1991年


↑文化センターの完成前に前川氏は亡くなってしまいましたが、こちらの書籍「前川國男・弟子たちは語る」も興味深くておススメです。(Amazonで見る)

16.慈光寺赤門(安藤英夫)

慈光寺は栃木県庁舎の東側にある浄土宗の寺院です。
この赤門はもともとは1778年に建築されされ、第二次世界大戦の空襲で焼失していましたが、開山500年事業として2008年に再建されました。
宇都宮城の鬼門の方角に位置しているのですが、前面の赤門通りからアクセスすると手前の建物で半分だけ朱色の建物が見えるのも面白くて街の変遷を感じます。
ちなみに山門の先にある「赤門の桜」と呼ばれるヒガン桜は樹齢150年を超えて、宇都宮で最初に開花する桜としても知られているそうです。

設計:安藤英夫
所在地:栃木県宇都宮市塙田1-3
アクセス:東武宇都宮駅徒歩10分
竣工:2008年

17.栃木県庁舎(日本設計)

栃木県庁舎は1990年代からはじまった庁舎の整備事業の集大成ともいえる地上15階の庁舎です。
前面に大きな広場をとりながら、建物は最も効率的な整形の高層建築となっていて、無難で無個性な時代の先駆けともいえる建築です。
建築好きとしては、佐々間ざま理由でしょうがない部分もありつつも、栃木県議会庁舎を取り壊し、申し訳程度に旧庁舎の一部を敷地の隅に移築したことと、この庁舎の計画とがリンクします。なるほど行政としてはこれが宇都宮や中心市街地の「顔」というのであれば、なるほどそうなのだろうと納得しました。

設計:日本設計
所在地:栃木県宇都宮市塙田町1-1
アクセス:東武宇都宮駅徒歩12分
竣工:2007年

いかがでしたでしょうか。
宇都宮駅周辺は近代現代ともに是非見ておきたい名建築が集う、正に建築パワースポットともいえる場所でした。
餃子食べ歩きもいいですが、食前・食後の運動も兼ねて合わせて建築もトリップしてみると新しい発見があっておススメですよ!



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