金沢で建築巡り!おススメの名建築30選を紹介

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21.日本聖公会金沢聖ヨハネ教会・聖ヨハネ保育園(岡本義富/岡本義富建築研究所)

日本聖公会金沢聖ヨハネ教会

本多の森ホールを進んだところに建つ日本聖公会金沢聖ヨハネ教会・聖ヨハネ保育園は、2017年に建て替えが行われた教会です。
弓なりに伸びる建物正面のエントランスの形状はそのまま内部の聖堂まで続いていて、天に伸び上がるような空間のイメージが素直に表現されています。
カーブする屋根の形や木ルーバーによる外装は、金沢の観光エリアから少し外れた街並みにもよく溶け込んでいて、まるで何十年も前からそこにあったかのような自然な佇まいになっています。

日本聖公会金沢聖ヨハネ教会

設計:岡本義富/岡本義富建築研究所
所在地:石川県金沢市石引4-3-1
竣工:2017年
備考:第40回金沢都市美文化賞

□金沢聖霊修道院聖堂
金沢には金沢聖ヨハネ教会の他にも魅力的な教会かいくつもあります。

金沢聖霊修道院聖堂

今回私が訪れた時は残念ながら改修中でしたが、1931年に建てられた金沢聖霊修道院聖堂は、築約90年の歴史ある建築です。
スイス人建築家マックス・ヒンデル設計の建物は、本場の西洋の建築のエッセンスを存分に発揮しながら、金沢の伝統工芸も取り入れているそうです。

金沢聖霊修道院聖堂

設計:マックス・ヒンデル
所在地:石川県金沢市長町1-5-20
竣工:1931年

2021年の11月には改修が完了するそうです。
ちなみに近くに建つ日本基督教団金沢教会香山壽夫建築研究所と進藤圭介建築研究所が設計を手掛けているので、次回金沢を訪れる際には併せて見学しようと思います。

22.旧ウィン館/石川北陸学院短期大学附属ウィン幼稚園(T.C.ウイン)

旧ウィン館

聖ヨハネ教会の前に建つ旧ウィン館は、アメリカ人宣教師のT.C.ウィン氏の自邸として建てられ、現在は北陸学院の歴史史料館として利用されている建物です。
下見板張り、細かい装飾が施されたベランダなど典型的なコロニアルスタイルの建物は、元々邸宅だったこともあってどこか親しみやすさと可愛さを感じます。
今年で築130年となる建築は、金沢の文化の発展の一助を担った拠点としても、明治期に建てられた近代建築としても貴重な近代遺構です。

旧ウィン館

設計:T.C.ウイン
所在地:石川県金沢市飛梅町1-10
竣工:1891年

23.金沢くらしの博物館(山口孝吉)

金沢くらしの博物館

旧ウィン館を少し南下したところに建つ金沢くらしの博物館は、元々は旧石川県第二中学校の本館として建てられた擬洋風の木造校舎です。
学校の統廃合を繰り返しながら、約70年に渡って中学校・高校として利用され、1978年に金沢市民俗文化財展示館としてリューアル、現在は金沢くらしの博物館という名前に改称されて、古今の暮らしに関する資料を展示しています。
現在現存するのは本館のみですが、全国的にも珍しい複数の尖塔や透かし彫りや階段等の細かい装飾など見所が満載です。
金沢の中心部からは少し離れていますが、建築好きであれば是非立ち寄って欲しい建築です。

金沢くらしの博物館

設計:山口孝吉
所在地:石川県金沢市飛梅町3-31
竣工:1899年
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜
入館料:一般310円、高校生以下無料
備考:重要文化財
公式HP:https://www.kanazawa-museum.jp/minzoku/

24.北國銀行 武蔵ケ辻支店(村野藤吾)

北國銀行 武蔵ケ辻支店

金沢の中心市街地に戻った金沢駅前通りと百万石通りの交差点に建つ北國銀行 武蔵ケ辻支店は、1932年に建てられた北國銀行(旧加能合同銀行本店)の支店として使われてきた建物です。
設計を手掛けた村野藤吾氏は昭和の日本を代表する建築家で、一時は再開発に伴う解体の危機にありましたが、建物をそのままの状態で移動する曳家(ひきや)によって現在の位置に移動され、保存・活用がなされました。
当時の銀行建築としては珍しい尖塔アーチによる開口部をはじめ、独自の装飾が随所に散りばめられていて、まだ40代はじめだった若き日の村野氏の力作としても貴重な建築です。
夜のライトアップもとても美しく、金沢中心地入口のランドマークとして、今尚現役の建築なのがとても嬉しいです。

北國銀行 武蔵ケ辻支店

設計:村野藤吾
所在地:石川県金沢市青草町88
竣工:1932年

□近江町いちば館
北國銀行 武蔵ケ辻支店の曳家・改修と併せて整備された近江町いちば館は、古くから金沢城下の台所として親しまれた近江町市場の再開発によって生まれた建築。

近江町いちば館

市場の再開発に当たっては全国各地の再開発を手掛けるアール・アイ・エーと内装大手の船場が手を組んで、伝統的な市場の雰囲気を残しつつ、商業施設としての賑わいがデザインされていています。
館内には金沢名物の海鮮をはじめとする様々な店舗が軒を連ねているので、金沢を訪れた際のランチ・ディナースポットとしてもオススメです。

近江町いちば館
近江町いちば館

設計:アール・アイ・エー+船場
所在地:石川県金沢市青草町88
竣工:2009年

□中島商店
ちなみに北國銀行 武蔵ケ辻支店からすぐのところにも、同じ村野藤吾氏による事務所建築 中島商店が建っています。

中島商店

褐色のタイルの外壁と、モダニズムやドイツ表現主義の影響も多分に感じる建物は、北國銀行と同じく村野氏の初期の代表作としても貴重な建築です。

中島商店

設計:村野藤吾
所在地:石川県金沢市十間町8-1
竣工:1932年

25.谷庄古美術店

谷庄古美術店

近江町いちば館と中島商店の間に建つ谷庄古美術店は、昭和初期の1927年に建てられた和洋が半々で融合した店舗兼住宅です。
一階の洋館店舗部分を明るく照らす大窓と、その窓とバランスを取るように開けられた2階のアーチ窓がなんとも可愛らしく、当時の家主のこだわりと遊び心を感じるの建築です。

谷庄古美術店

所在地:石川県金沢市十間町44
竣工:1927年
備考:登録有形文化財

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26.尾張町の近代建築群

金沢城公園の東側に位置する尾張町エリアでは、1900年代前半に建てられた近代建築が数多く残されています。

□町民文化館/旧金沢蓄財銀行本店

町民文化館(旧金沢蓄財銀行本店)

町民文化館は、元々は金沢蓄財銀行の本店として建てられた建築です。
シックで和風な外観も、中にはいると洋風な雰囲気が感じられる白い内観になっていて、色によって和洋を使い分けているのが面白い建築です。

町民文化館(旧金沢蓄財銀行本店)

設計:長岡平三
所在地:石川県金沢市尾張町1-11-8
竣工:1907年
開館時間:9:00~17:00
備考:石川県有形文化財
第40回金沢都市美文化賞

□石黒ビル/旧石黒ファマシー本社

石黒ビル(旧石黒ファマシー本社)

石黒ビルは、石黒ファマシーの本社ビルとして建てられた地上4階地下1階建てのオフィスビルです。
シンプルなデザインですが、窓周りや屋根付近などに、当時流行した西欧のデザインが取り入れられています。

石黒ビル(旧石黒ファマシー本社)

設計:武田五一
所在地:石川県金沢市尾張町1-10-5
竣工:1926年

□村松商事ビル/旧村松商店ビル

村松商事ビル(旧村松商店ビル・北陸カタン糸ビル)

村松商事ビルは、村松商事の本社ビルとして建てられた地上3階建ての建築です。
交差点に面した立地を最大限に活用し、直線的な要素を際立たせたデザインは、当時流行していたアールデコの影響も見られます。
近代化によって様々な表現が可能になったこの時代ならではの建物は、今もその個性を失っていませんでした。

村松商事ビル(旧村松商店ビル・北陸カタン糸ビル)

設計:清水組
所在地:石川県金沢市尾張町1-8-18
竣工:1928年
備考:登録有形文化財

□ギャラリー三田/旧三田商店

ギャラリー三田

ギャラリー三田は、現在は絵画や骨董品の展示と販売を行っているギャラリー兼店舗です。
こちらの建築は同じ交差点に建つ村松商事ビルとは全く異なり、スクラッチタイル張りのアール外壁とロマネスク風のデザインが特徴的な建物となっています。

ギャラリー三田

設計:大林組
所在地:石川県金沢市尾張町1-8-5
竣工:1930年
営業時間:10:00~18:00
備考:登録有形文化財

□金沢文芸館/旧高岡銀行橋場支店

金沢文芸館(旧高岡銀行橋場支店)

尾張町の近代建築で最後に紹介する金沢文芸館は、元々は高岡銀行橋場支店として建てられた建築です。
ひがし茶屋街や主計町茶屋街に続く道路と百万石通りが交差する三叉路に建てられた建築は、これもまた様式が変わってルネサンス風のデザインとなっています。
内部は銀行時代の家具もそのまま活用されていて、1階の交流サロンの他、展示もリーズナブルな価格で見られるオスメスのスポットです。

金沢文芸館(旧高岡銀行橋場支店)

設計:清水組(改修:浦建築研究所)
所在地:石川県金沢市尾張町1-7-10
竣工:1929年(2005年改修)
開館時間:10:00~18:00
定休日:火曜
入館料:一般 100円、高校生以下 無料
公式HP:https://www.kanazawa-museum.jp/bungei/

同年代に建てられながら、どの建築もそれぞれ全く違ったデザインとなっているのがとっても面白いですね。

27.大樋ギャラリー(大江匡/プランテック総合計画事務所)

大樋ギャラリー

金沢文芸館から百万石通りを1分ほど南下したところに建つ大樋ギャラリーは、加賀の伝統工芸である大樋焼の作品などを展示する個人美術館です。
大樋ギャラリーは、1992年に建築家の大江匡氏によってデザインされ、2014年に建築家の隈研吾氏の手によって増築・改修がなされました。
2014年の隈研吾氏による改修では、大樋ギャラリーの他、茶室・年々庵・庭園が新たにデザインされていて、隈研吾氏らしい新旧の素材や明暗の対比を上手く活かしたデザインを堪能できます。

大樋ギャラリー

また、大樋ギャラリーの前庭は草月流三代目家元勅使河原宏氏が手掛けていたり、金沢市の指定保存建造物にも指定されている武家屋敷など、見所が多いスポットになっています。

設計:大江匡/プランテック総合計画事務所(改修:隈研吾)
所在地:石川県金沢市橋場町2-17
竣工:1992年(2014年改修)
営業時間:9:00~17:00
公式HP:http://www.ohimuseum.com/
備考:第16回 金沢都市美文化賞

28.谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館(谷口吉生/谷口建築設計研究所)

谷口吉郎・吉生記念金沢建築館はこの記事にも何度も登場した金沢出身の建築家 谷口吉生氏が設計し、建築家親子2人の名前を冠して「建築」や「街」にフォーカスした展示を行うミュージアムです。
また、ミュージアムの展示内容も単に建築に関わる展示をするだけではなく、かつて谷口吉郎氏が設計した迎賓館赤坂離宮 和風別館「游心亭」の建築空間がそのまま再現されていたり、建築自体が展示の一部となるようなミュージアムは、まさに建築好き必見のスポット。

2階の広間の傾斜天井の先にある水盤も谷口氏らしい仕掛けです。水盤は東京の西臨海水族園や東京国立博物館、先ほど紹介した鈴木鈴木大拙館でも使用されていますが、金沢建築館では裏手に流れる犀川や周辺の環境を巧みに建築内に取り込んでいます。
詳細記事
・谷口吉郎・吉生記念金沢建築館がスゴい!話題の新スポットをレポート【石川県金沢】

設計:谷口吉生/谷口建築設計研究所
所在地:石川県金沢市寺町5-1-18
竣工:2019年
公式HP:https://www.kanazawa-museum.jp/architecture/

29.ひがし茶屋街

ひがし茶屋街は江戸時代後期~明治初期にかけて建てられた茶屋建築が残る地域です。

ひがし茶屋街

金沢城を中心に大きく発展した金沢城下には江戸時代より多くの茶屋が立ち並んでいましたが、1820年に当時の加賀藩主が城下町に点在していた茶屋を集めたのが茶屋街としたのが始まりとされていて、ここひがし茶屋街はそんな茶屋街の中でも最大規模のエリアです。

メイン通りの二番丁通り

ひがし茶屋街のメイン通りである二番丁通りは、上の写真の広場からはじまる東西に約100mほどの通りです。
通りの左右には茶屋建築がズラリと並んでいて、まるでタイムトリップしたかのような不思議な街を体験できます。
詳細記事
・ひがし茶屋街で建築散策!建築好きが巡る茶屋街の楽しみ方【石川県金沢】

ひがし茶屋街でイチオシの建築が、茶屋街ができた1820年に建てられ、国の重要文化財にも指定されている志摩です。

志摩(重要文化財)

志摩では実際に建物内部に入って見学することができるので、普段は覗くことのできないお茶屋の世界を存分に見学することが出来ます。
お茶屋のつくりは通常の住まいである町屋とはちょっと異なっていて、押入れや間仕切のない、まさに遊芸を楽しむ場としての建築は、豪華さの中にも気品さと繊細さが同居する独特の空間となっています。

■志摩
所在地:石川県金沢市東山1-13-21
入館料:
 大人:500円
 小・中学生:300円
営業時間:9:00~18:00
定休日:無休
公式HP:http://ww.ochaya-shima.com/
備考:重要文化財

■ひがし茶屋街
所在地:石川県金沢市東山
竣工:江戸時代~
備考:重要伝統的建造物群保存地区

□主計町茶屋街

主計町茶屋街

ちなみにひがし茶屋街の最寄りのバス停である「橋場町」の目の前には、別の茶屋街である主計町茶屋街があるので、時間があれば合わせて巡って見るのがおススメです。
主計町茶屋街はひがし茶屋街に比べるとかなり小さな茶屋街なのですぐに一周できてしまうくらいの規模ですが、前面に流れる浅野川と一体となった景観はひがし茶屋街とはまた違った趣があります。

主計町茶屋街

所在地:石川県金沢市主計町
竣工:江戸時代~

さらに浅野川にかかる浅野大橋は1922年(大正11年)に架けられた歴史あるアーチ橋で、有形文化財にも登録されている隠れ注目スポットです。
橋の北側にある火の見櫓と合わせて是非合わせて見てみて下さい。

30.金沢ビーンズ(迫慶一郎/SAKO建築設計工社+大和ハウス工業)

金沢BEANS

最後に紹介する金沢ビーンズは、約80万冊の蔵書数を誇る地上3階建ての大型書店です。
ビーンズの通り豆の形をした店内は、流れるようなカーブを描いた外壁は本棚と一体となっていて、この建築の為にデザインされた家具と共に特徴的な空間を形作っています。
本屋といえばどうしても画一的に本棚が並ぶ均質な空間になりがちですが、金沢ビーンズではカーブする外壁によって生まれる余剰空間や、円形の空間に沿って並べられた本棚によって生まれたバラエティに富んだ空間で、様々な本との出会い方が提案されています。

金沢BEANS

設計:迫慶一郎/SAKO建築設計工社+大和ハウス工業
所在地:石川県金沢市瓢箪町5-158
竣工:2007年
備考:2008年度グッドデザイン賞
公式HP:https://www.kanazawa-beans.com/

※時間や料金などは記事執筆時点のものです。実際に訪れる際は公式HPなどで最新の情報をご確認ください。

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